小規模企業共済は、自営業者や小規模企業の役員が退職後の生活資金として積み立てる共済制度ですが、契約者が亡くなった場合には「死亡時共済金」が支払われる制度もあります。遺族が安心して手続きを進められるよう、ここでは死亡給付の仕組みと具体的な支給額の目安をわかりやすく紹介します。
小規模企業共済の死亡給付の仕組み
契約者が共済加入中に亡くなった場合、受取人として指定された遺族に「共済金B」が支払われます。これは、契約者自身の退職や廃業とは異なる支給パターンで、被共済者の死亡に伴い支払われる特別な給付金です。
支払額は、これまでの掛金の総額や加入期間、加入時年齢などによって計算されます。
加入者が月額2万円、積立150万円の場合の目安
仮に月額掛金2万円、加入年数約6年強で積立額が150万円程度とした場合、死亡共済金の支払額は原則として掛金納付総額以上となるように設計されています。概ね150万円〜160万円台が想定されます。
たとえば、共済公式の支給早見表では、6〜7年の納付で元本に相当する金額または若干上回る金額が支給されると確認されています。
共済金の受取人指定と手続き方法
共済契約時には、受取人を指定する欄があります。指定されていない場合、法定相続人(配偶者や子など)が対象となり、必要書類と共に請求することで受け取ることができます。
請求には、死亡診断書や戸籍謄本、共済契約者証、本人確認書類などが必要です。請求期限は死亡の翌日から5年以内となっており、早めの手続きが推奨されます。
共済金には税金がかかる?相続税の取り扱い
小規模企業共済の死亡給付金は、受取人が契約者の相続人である場合「相続税」の課税対象となります。ただし、500万円 × 法定相続人の数の非課税枠が適用されるため、実際に課税されないケースも多いです。
非課税枠を超える場合や相続人以外への指定がある場合は、贈与税や所得税の対象になる可能性があるため、税理士に相談すると安心です。
遺族が知っておくべきその他のポイント
共済金の受け取り前に、契約者が一度も借入や掛金の減額などを行っていないかを確認しましょう。これらがあると、支払額が減額される場合があります。
また、掛金の未納が続いていた場合でも、死亡時の共済金は一定の金額が保証されるようになっています。ただし、加入年数が1年未満の場合は無給付になるので注意が必要です。
まとめ:万が一に備え、共済契約内容と受取人を確認しよう
小規模企業共済は、死亡時にも遺族に対する安心を提供する制度です。積立額が150万円程度でも、全額以上が支給される仕組みがあり、制度として信頼性が高いのが特徴です。
ご家族に万が一があった際に慌てないよう、契約内容の把握と受取人の確認を行っておくことをおすすめします。