相続登記における登記済権利証の必要性とは?不動産名義変更に役立つ基礎知識

古い家屋付き土地を相続し名義変更を進める際、特に「登記済権利証」が手元にないと不安になる方は多いでしょう。しかし、現在の不動産登記制度では、この権利証がなくても名義変更を行うことは可能です。本記事では、相続登記における権利証の扱いや、名義変更手続きに必要な書類についてわかりやすく解説します。

登記済権利証とは何か?

登記済権利証とは、不動産の所有権移転などの登記が完了したことを証明する書類で、かつては登記所から交付されていました。現在では「登記識別情報通知」に切り替えられており、新たに取得した不動産では登記済権利証は発行されていません。

よって、50年以上前に取得した不動産では、登記済権利証が交付されている可能性はありますが、必ずしも名義変更に必須ではありません。

相続による名義変更では権利証は不要

不動産の所有者が亡くなり、相続によって名義を変更する場合、登記済権利証は提出不要です。相続登記では、故人の所有権を証明する「登記事項証明書」や相続関係を示す戸籍類、公正証書遺言書などの方が重要です。

つまり、権利証がなくても他の法定書類が揃っていれば、問題なく法務局で名義変更手続きを進められます。

相続登記に必要な主な書類

  • 公正証書遺言書または遺産分割協議書
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 相続人の戸籍謄本・住民票
  • 不動産の登記事項証明書
  • 固定資産評価証明書
  • 申請書(法務局様式)

これらを整えて申請すれば、登記済権利証がなくても手続きは可能です。

権利証と不動産番号の一致は確認済みでOK

司法書士から受け取った不動産番号の書かれたコピーが、過去の登記済権利証と一致しているならば、手元に現物がなくても特段の支障はありません。相続手続きでは、不動産番号を元に登記情報を取得して正しく申請が行えれば十分です。

ただし、売却時には登記識別情報が必要になるため、その点は次のセクションで確認しておきましょう。

売却時には登記識別情報が必要になる

名義変更後、売却を考えている場合には、新たに相続によって登記された名義に対して「登記識別情報」が発行されます。これは売却時に本人確認として利用されるため、受け取り後は厳重に保管しましょう。

万が一、これを紛失した場合でも、別途本人確認書類などを用いた「事前通知制度」や「資格者代理人による本人確認制度」などで対処できます。

まとめ:登記済権利証がなくても相続登記は進められる

相続による名義変更では、登記済権利証の提出は不要です。公正証書遺言や戸籍謄本、不動産番号が整っていれば、法務局でスムーズに手続きを進めることが可能です。

売却も視野に入れている場合には、名義変更後に発行される登記識別情報を大切に保管し、司法書士のアドバイスのもとで進めていくのがおすすめです。

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