交通事故の被害者として通院する際、整骨院での治療がどのように評価されるのか、慰謝料は支払われるのか、そして後遺障害認定の可能性について不安に感じる方も多いのではないでしょうか。本記事では、追突事故による頚椎・腰椎捻挫における保険対応や通院方針、慰謝料の考え方を詳しく解説します。
整骨院の通院でも慰謝料は支払われるのか
一般的に、整骨院(接骨院)での治療でも、通院日数に応じた慰謝料の対象になります。ただし、医師の診断書に基づいて通院している場合であり、整形外科との連携が取れていることが前提です。
例えば、「整形外科で診断を受けたあとに整骨院へ通院」という流れであれば、保険会社も正当な通院として認めやすい傾向にあります。しかし、医師の指示なしに整骨院にのみ通う場合は慰謝料対象外と判断されることもあります。
整形外科メインに切り替えるよう保険会社に言われた場合
保険会社が「整骨院で改善が見られない」と判断し、整形外科をメインにするよう要請してくることは珍しくありません。これは治療の客観性や医学的根拠を重視するためです。
このような要請があった場合、整形外科への通院記録をしっかり残すことが重要です。医師の診断や画像検査(MRIなど)によって、後遺障害の認定や治療継続の正当性を主張しやすくなります。
治療費の打ち切りを提示された場合の対応方法
保険会社が「半年で治療終了を提案してきた」といったケースは多く見られます。通院終了を強制されるわけではなく、あくまで提案です。
継続して痛みがある場合は、主治医に症状固定と診断されたタイミングで後遺障害の申請が可能です。この段階で、等級認定に必要な「後遺障害診断書」の作成を依頼しましょう。
後遺障害等級認定の可能性と申請手続き
頚椎・腰椎捻挫に関しては、12級13号または14級9号が認定されることがあります。特に、治療終了後も首の痛みが続いている場合、神経症状として等級に該当する可能性があります。
以下のような条件を満たすことで、認定されやすくなります。
- 症状固定の診断がある
- MRIなどの画像診断結果がある
- 整形外科での継続的な診療記録がある
後遺障害等級の申請は「事前認定」と「被害者請求」の2種類ありますが、被害者自身が資料を揃えて行う「被害者請求」の方が内容を精査しやすく、等級認定を得やすい場合もあります。
慰謝料と後遺障害による賠償の違い
交通事故における慰謝料には2つあります。
- 入通院慰謝料:通院期間・日数に応じて支払われる
- 後遺障害慰謝料:後遺症が残ったと認定された場合に支払われる
例えば、後遺障害等級14級が認定された場合、慰謝料として約110万円程度が目安です(裁判基準)。後遺障害慰謝料は入通院慰謝料とは別に支払われるため、該当する場合は必ず申請を検討しましょう。
まとめ:整骨院通院の慰謝料と後遺障害への備え
これまでの整骨院通院も、医師の指示や初診がある前提であれば慰謝料の対象になります。また、保険会社から治療終了の打診があったとしても、症状が続いているならば後遺障害申請も視野に入れるべきです。
整形外科での医学的証拠を積み重ね、必要に応じて弁護士特約を活用することで、自身の正当な権利を守ることができます。