将棋の魅力を伝えるために、プレゼンテーションで棋士の写真を使いたい――そんな時に気をつけなければならないのが肖像権と著作権の問題です。本記事では、公式サイトの画像や写真をどのように扱うべきか、法律上の観点からわかりやすく解説します。
肖像権と著作権の基本的な違い
肖像権は、人の顔や姿など個人が持つ「プライバシーの権利」に関わるもので、無断使用は人格権の侵害になります。一方で、著作権は、写真や画像といった創作物に関する制限で、制作者や管理団体が保有します。
つまり、棋士の写真を使うには、撮影者や日本将棋連盟など著作権者の許可に加えて、当人の肖像権にも配慮する必要があります。
「個人利用」での使用は許される?
たとえば、社内向けの小規模なプレゼンで使用する場合、商用でなくても許可が必要なケースがあります。日本将棋連盟の公式サイトでも「営利目的以外の使用」には具体的な記載があり、明確な許諾がない限り無断使用は避けた方が安全です。
また、「営利目的でなければOK」という誤解も多いですが、非営利でも公開範囲が広がると著作権や肖像権の侵害とみなされるリスクがあります。
リスクを避けるための代替案
フリー素材やイラスト素材を活用するのは非常に有効な手段です。たとえば、将棋盤の写真や駒のイラスト、棋士風のシルエット画像などは、多くのフリー素材サイトで見つけることができます。
さらに、「将棋プレゼンに使える無料素材サイトまとめ」などの特集記事から合法的に使える素材を探すのも手です。
画像を使う場合のポイントと注意点
- 使用画像に対し、著作権者・肖像権者の明確な許可を得る
- 出典・クレジット表記を明示する
- 商用利用ではないといっても、社内共有の範囲を超えない
- 画像の加工や切り抜きにも注意(加工も著作権に触れる可能性)
以上の点を守ることで、万一のトラブルを回避できます。
事例:実際にトラブルが発生したケース
ある大学の将棋研究会で、プロ棋士の画像を無断で使用した資料をSNSでシェアした結果、日本将棋連盟から削除要請が来た例があります。これは営利でなくても「公の場に公開した」ことが問題視されました。
このように、内輪のつもりでも公開性があるとみなされるリスクは高く、配慮が欠かせません。
まとめ:将棋の魅力は「合法的に」伝えよう
棋士の写真や画像は魅力的なプレゼン素材ですが、著作権・肖像権のルールを守ることが大前提です。フリー素材や自作イラスト、許諾を取った上での使用を心がけ、安心して将棋愛を伝えましょう。ルールを理解した上での工夫が、伝わるプレゼンを生み出します。