テレビを“見ていない”だけでNHKと契約は必要?放送受信契約の義務と対応法を解説

「テレビはあるけど見ていない」「NHKを契約したくない」と感じたことはありませんか?NHKの訪問員が契約書を持ってきたときにどう対応すべきか、放送法に基づいた義務の有無と、正しい対処法について解説します。

テレビを持っているだけでNHKと契約義務はあるのか

結論から言うと、テレビを設置している=契約義務があるというのが法律上の原則です。

放送法第64条第1項には、「放送受信設備を設置した者は、NHKと契約しなければならない」と定められており、視聴の有無は問われません。

「テレビは見ていない」と言えば契約を回避できる?

残念ながら、「見ていない」ことは契約拒否の理由にはならないとされています。実際に裁判例でも、「テレビはあるがNHKを見ていない」という主張は契約義務を免れる理由として認められなかったケースがあります。

たとえば東京地裁平成28年3月4日判決では、「テレビがある限り、契約義務は生じる」との判断が出されています。

「テレビがない」と伝えたらどうなる?

訪問員に「テレビはありません」と言えば、その場での契約は回避できます。ただし、後日テレビの設置が確認されれば、過去にさかのぼって契約義務や請求が発生する可能性もあります。

もし本当にテレビを所持していない場合は、「受信設備がないこと」を明確に主張することが重要です。可能であれば、訪問対応の内容を録音・記録しておくと安心です。

「見逃し配信」や「ワンセグ」はどう扱われる?

スマートフォンのワンセグ機能やカーナビのテレビ機能も、原則として「放送受信設備」に該当する場合があります。

ただし、2023年最高裁判決では「ワンセグ付き携帯を持っていても、公共の役所で使う目的であれば契約義務はない」とされた事例もあり、使用目的や利用実態によって判断が分かれることもあります。

訪問員が来た場合の適切な対応法

  • インターホン越しでの応対にとどめる(無理に開けない)
  • 録音・記録しておくと、トラブル予防に有効
  • 「契約の意思はありません」と明確に伝える
  • 居留守も法的には問題なし(義務はない)

なお、NHK訪問員は公務員ではなく委託業者であるため、入室・捜索などの権限は持っていません。強い態度に出られた場合は、トラブル回避のため録音や警察への相談も検討しましょう。

まとめ:契約義務は「設備の有無」が基準、正しい対応がカギ

NHKとの契約義務は「見ているかどうか」ではなく、「テレビなどの受信設備があるかどうか」が基準になります。見ていなくても契約が必要な場合が多く、正しい法律知識と冷静な対応がトラブルを避けるカギです。

今後NHK訪問員が来た場合も、無理に応じず、インターホン越しで対応し、必要であれば「設備はありません」と伝えるか、録音対応などで備えましょう。

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