駐車場でドアがぶつかったけど傷なし…後から修理費を請求されたら支払う義務はある?対応と注意点を解説

駐車場などで車のドアを開けた際に、隣の車に接触してしまった――「傷が見当たらなかったけど、後日請求されたらどうしよう?」というケースは珍しくありません。本記事では、警察を呼んでも“傷が確認できなかった”状況において、後から修理費を請求された場合に支払い義務があるのか、またどのように対応すべきかを解説します。

警察が「傷なし」と判断した場合の扱いは?

まず警察が現場確認のうえ「傷が見当たらない」と判断し、物損事故としての処理ではなく“参考記録”とした場合、これは軽微接触や損害が確認されなかった事案として扱われます。

このような場合、法的にも「損害が存在したかどうか」が重要となり、実際の損傷がなければ損害賠償の義務は原則として発生しません。

後日「やっぱり傷があった」と連絡が来たら支払い義務はある?

相手方から「翌日ディーラーで確認したら傷があった」と言われた場合でも、その傷が本当に今回の接触によるものかの証明が必要です。

民法上の損害賠償責任(民法709条)は、「加害行為」と「損害」の因果関係が必要条件とされ、明確な証拠がなければ支払い義務は発生しない可能性が高いです。

相手が「修理費を請求してきた」場合の対応方法

  • ① 請求書や見積書を確認する:修理部位がドアの接触部と一致するかを確認
  • ② 事故当日の写真や警察の発言を記録として整理
  • ③ 保険会社に報告・相談:自身の対物保険で対応すべきか判断してもらう

一方的に「○万円請求されたから払ってください」と言われても、支払いに応じる前に保険会社と相談することが重要です。

実例:現場で傷なし→後日請求があったケース

例:Bさんが駐車場で隣車と軽く接触。警察が到着し「傷は見当たらない」との確認のうえ、双方同意でその場を終了。翌日、相手が「ドア内部に凹みがある」と修理見積もりを提出。

→保険会社を通じて現地確認を行った結果、「当日の接触では生じにくい傷形状」と判断され、支払い義務なしという結論になった。

今後の備え:このようなケースに備えるには

  • ドライブレコーダーの記録保存:音声・映像で客観的な証拠に
  • 現場で写真撮影:自車・相手車両・接触箇所を記録
  • その場で相手に「傷がないことに同意」してもらう:可能であれば録音や文書化も

このような記録があれば、後から不当な請求を受けた場合でも、正確かつ冷静に対応できます。

まとめ:支払い義務は「損傷の証明」と「因果関係」が前提

警察が現場で傷を確認できなかった場合、原則として損害賠償の責任は発生しません。もし後から請求されたとしても、その傷が事故によるものであるかの証明が必要です。

慌てて個人で支払わず、まずは保険会社に相談することが第一。記録・証拠の整理をしっかり行い、冷静に対応しましょう。

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