交通事故後に「治療費を否認された」場合の対応と保険金詐欺との関係

自転車と車の接触事故や軽微な交通事故でも、被害者が感じる不安や混乱は大きなものです。特に、ケガの治療に通っているにもかかわらず、加害者側の保険会社から「事故との因果関係が疑わしい」とされ治療費の支払いを拒否された場合、心配はさらに増すでしょう。今回は、このようなケースで考えるべき対応や、保険金詐欺との関係について、わかりやすく解説します。

「因果関係が疑わしい」とされるのはなぜ?

加害者側の保険会社は、事故によるケガかどうかという「医学的な因果関係」を重視します。事故の衝撃が軽かった、あるいは受傷までの時間にズレがあるなど、医学的・合理的な説明が不足していると判断された場合に、治療費の支払いを拒むことがあります。

例えば、接触直後に病院に行かず、数日経ってから診察を受けたケースでは、「本当に事故による痛みか?」と保険会社が疑念を抱くことがあります。

保険金詐欺と判断される可能性は?

一般的に、保険会社が「治療費を支払えない」と判断するのは、保険金詐欺を疑っているというより、損害賠償責任の範囲外だと主張しているにすぎません。

ただし、明らかに虚偽の申告や捏造がある場合は、刑事的に「保険金詐欺(詐欺罪)」として扱われるリスクもあります。しかし、正規の診断書があり、実際に痛みや通院が存在していれば、通常は詐欺とみなされる可能性は低いといえます。

こうした場合に取るべき具体的な対応

  • 医師からの診断書や治療経過報告を確保する
  • 通院の記録(領収書や診療明細)を保管する
  • 弁護士に事実関係と証拠を整理して報告する

弁護士特約がある場合は、弁護士が保険会社との交渉を代理してくれるので、被害者は冷静に事実の裏付けを整えることに集中しましょう。

精神的ダメージをケアする視点も大切

「詐欺を疑われたかもしれない」という思い込みは精神的に大きなストレスになります。しかし、法的に「詐欺」と判断されるには、明確な虚偽行為や詐取の意図が必要です。正しく医師の診断に従って治療しているなら、過度な心配は無用です。

不安が続くようであれば、厚労省「こころの耳」など公的なメンタルケア窓口も活用しましょう。

治療費を支払わないと言われた後の交渉方法

保険会社とのやり取りは、被害者本人が行うと精神的に大きな負担となります。弁護士を通して粘り強く交渉を進めることで、認定が覆ることも珍しくありません

また、必要であれば主治医からの補足診断書(事故との因果関係を記載したもの)を依頼することも有効です。これは医療的根拠として、保険会社への説得材料になります。

まとめ:冷静な対応と証拠の積み重ねが大切

交通事故の後、保険会社から「支払えない」と言われると、大きな不安や怒りを感じるのは当然です。しかし、焦らず事実を丁寧に証明し、法的に適切なサポートを受けることで、解決への道は開かれます。

自分が被害者であるという立場を忘れず、堂々と対応することが何よりも重要です。正当な請求であれば、あなたの声は必ず届くはずです。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール