Amazonの「欲しいものリスト」を使った支援募集が一般化する中で、配信者やインフルエンサーによる活用方法が多様化しています。しかし、時折「物乞い」「乞食行為」との違いや、法的に問題があるかどうかが議論されるケースもあります。特に、売却目的の商品をリストに含めた場合、軽犯罪法に触れる可能性はあるのでしょうか?この記事では、その疑問に法的観点からわかりやすく解説します。
軽犯罪法における「物乞い」とは
軽犯罪法第1条33号では、「何人も、こじきをし、又はこじきをさせた者は拘留又は科料に処する」と規定されています。ここでの「こじき」は、公共の場で他人に物や金品を無償で求める行為を指します。
つまり、路上での物乞いや訪問による懇願など、迷惑行為としての性格を持つ行為が該当します。
「欲しいものリスト」による支援募集は違法なのか
Amazonの欲しいものリストを使い、自発的に支援を求める行為自体は、一般的には違法ではありません。なぜなら、それは「寄付」に近く、相手の意思に基づく任意の提供だからです。
ただし、その目的が明確に売却や転売である場合や、誤認を与える内容である場合、違法性が生じる可能性があります。
売却目的のリスト掲載は詐欺や税法違反の可能性も
ゲーム機など高額商品の複数登録や売却前提での受領は、以下のような問題を孕む可能性があります。
- 詐欺罪:寄付者に虚偽の目的を伝えていた場合
- 軽犯罪法:公共性のある場で迷惑行為的な方法で物をねだっていた場合
- 税務申告漏れ:売却によって得た利益を収入として申告しなかった場合
特に「売るために送ってもらっている」ことが明確であれば、それは寄付ではなくビジネスに近く、所得税の対象にもなります。
背景事情が同情的でも法的評価は変わるか
パワハラによる退職や精神的な困難など、事情がある場合でも、法律上の違法性の有無は客観的に判断されるため、主観的な苦しみが免罪符になるわけではありません。
ただし、それにより社会的な支援を募ること自体は合法的であり、説明責任と誠実さが問われるということになります。
通報やトラブルを避けるためのポイント
- 売却目的の商品をリストに含めない
- 明確に支援の意図や用途を記載する
- 第三者が誤解しないように注意書きを加える
- 受け取った品や売却益については税務申告を行う
このように、配信者やSNS上で支援を受け取る方は、自らの行動を慎重に点検する必要があります。
まとめ:善意の支援と違法行為の境目に注意
欲しいものリストは支援の手段として有効ですが、使用方法によっては軽犯罪法や詐欺、税法違反などの法的リスクが発生します。相手の信頼を得て正当な理由と明示された用途で利用することで、トラブルを防ぐことが可能です。
受け取る側としての誠実さが、支援文化を守る鍵となるでしょう。