自分が全く悪くないのにも関わらず、駐車中のバイクや自転車が破損していた――いわゆる「もらい事故」。こうしたケースでは「どう対応すべきか」「補償はしっかり受けられるのか」など、不安が多いものです。今回は、マンション敷地内で起きたもらい事故の事例をもとに、補償交渉の進め方や注意点をわかりやすく解説します。
もらい事故とは?10:0の原則について
もらい事故とは、駐車中の車両や歩行中の人など、加害者側に100%の過失がある事故を指します。一般的には、停車中のバイクや自転車が自動車にぶつけられた場合、被害者側の過失はゼロと判断されます。
そのため、自動車の運転者は自賠責保険・任意保険などを使って修理費や代車費用、慰謝料などの賠償を行う義務があります。
事故後の初動対応と連絡先交換の重要性
今回のように、警察がすでに現場検証を終えており、加害者からの連絡待ちという状況では、加害者の連絡がなかった場合に備え、再度警察へ状況確認を取っておくことも有効です。警察は加害者の連絡先を教えることはできませんが、事故の受理番号などを控えておけば、保険会社へ説明する際に役立ちます。
加害者から連絡が来た際は、冷静に「事故日時」「破損状況」「修理方法」「保険で対応するか」などをメモに残しておきましょう。
修理費は全額補償される?新品交換は可能?
自転車や原付バイクの修理費については、基本的に加害者の保険会社が全額負担することになります。ただし、保険会社によっては減価償却(年数による価値の目減り)を根拠に、満額の支払いに応じないケースもあるため、交渉が必要です。
特にお子さんを乗せるチャイルドシート付き自転車などは、目に見えないフレームの歪みがあると安全性に影響するため、「安全面から新品交換を希望する」と明確に主張すると通る可能性が高くなります。
加害者と直接交渉は避け、保険会社経由が安心
加害者から直接「弁償します」と言われても、必ず保険会社を通すようにしましょう。保険会社を通せば、修理代・レンタルバイク費用・通院費などもすべて補償対象になりますし、万が一トラブルになった際にも対応がスムーズです。
また、やりとりはLINEや口頭ではなく、なるべく文書やメールで残すのが望ましいです。
自衛のためにできること:写真や修理見積もりを準備
事故現場の写真や、破損箇所の状態を記録した画像を複数撮影しておくことで、後の交渉が有利になります。また、修理工場で見積もりを取り、それを相手方や保険会社に提示することで交渉が具体的に進みます。
もし自転車の買い替えを希望する場合も、購入予定の商品ページや金額を提示すると話が早くなるでしょう。
まとめ:もらい事故でも「泣き寝入り」しない対応を
もらい事故は予期せぬ出来事ですが、正しい対応をとればきちんと補償を受けることができます。ポイントは「保険会社を通す」「やりとりを記録する」「感情的にならず粘り強く交渉する」ことです。
特に安全性が関わる子供乗せ自転車などは、修理だけで済ませず新品交換を検討しても問題ありません。不安が大きい場合は、法テラスなどの無料法律相談を利用するのも良い手段です。