交通事故後のバイク修理において、依頼していない部品の注文や修理費用の請求を受けるケースが増えています。この記事では、そうしたトラブルに遭遇した場合に取るべき対処法と、法的な観点からの考え方を解説します。
未承諾の修理は契約成立していない
民法上、修理などのサービス契約は「申込み」と「承諾」により成立します。つまり、依頼者が明確に「この修理をお願いします」と言わない限り、契約は成立しません。
したがって、修理依頼をしていないにもかかわらず勝手に部品を発注された場合、その費用の支払い義務は基本的に発生しません。
口頭でのやりとりでも証拠を確保しよう
トラブルが起きた場合、相手が「依頼された」と主張することがあります。このときに重要なのは証拠です。
- 電話の録音(できれば通話アプリを使用)
- 家族や第三者の同席者の証言
- 修理依頼書や見積書の有無
こうした情報があれば、「依頼していない」ことの主張を裏付ける材料になります。
トラブル発生時の具体的な対処法
修理店との交渉がうまくいかない場合は、以下のステップを踏んでください。
- 電話での会話は録音する
- 内容証明郵便で「支払い義務なし」と通知する
- それでも請求を続けられる場合は、消費生活センターへ相談
消費者契約法や民法を根拠に、法的に無効である旨を記載すると、相手の対応も変わる可能性があります。
詐欺や悪徳商法に該当するか?
今回のような「依頼していないのに勝手に商品を用意し、代金を請求する」行為は、場合によっては詐欺や不当請求(悪徳商法)とみなされる可能性もあります。
特に、「高齢者や事故後で判断力が低下している人に対し、強引な請求をする」といったケースは、消費者庁でも問題視されやすいです。
トラブルを避けるために事前にできること
修理業者とやり取りする際は、事前に以下のことを徹底しましょう。
- 修理依頼は必ず書面かLINEなど記録が残る形式で行う
- 見積書をもらってから部品発注や修理に入ってもらう
- 不明な点は電話ではなくメールでやりとりする
事前の確認と記録が、後々のトラブルを防ぐ大きな防波堤になります。
まとめ:主張すべきは「依頼していない」という事実
バイク屋の行動が詐欺や悪徳商法にあたるかはケースによりますが、共通するのは「契約の成立がなければ支払い義務は生じない」ということです。毅然とした態度で「修理は依頼していない」ことを主張し、必要に応じて法的機関や消費生活センターに相談することをおすすめします。