アパートや職場の駐車場などで車をぶつけられたとき、特に相手がその場を離れてしまった場合、どう対応すれば良いか迷う方も多いのではないでしょうか。本記事では、車にドアをぶつけられて傷がついていた場合の適切な対応方法と、修理費の請求の流れについてわかりやすく解説します。
車に傷が見つかったらまずやるべきこと
車に傷がついているのを発見したら、できる限り早く写真を撮って証拠を残すことが大切です。可能であれば傷の大きさがわかるように定規や手のひらなどと一緒に撮影しましょう。
また、ぶつけた可能性がある相手の車やその位置関係も記録に残すと、後々の説明や保険会社への連絡時に役立ちます。相手の車がまだ近くにある場合は、ナンバーや車種、色なども記録しておきましょう。
加害者とその場で連絡が取れなかった場合の対応
ぶつけた相手とその場で連絡が取れない場合でも、事故と見なされる可能性があります。このような場合、たとえ1日以上経過していても警察に相談・届け出することをおすすめします。
交通事故として正式に扱ってもらうことで、事故証明書の発行が可能となり、保険請求にも使えるためです。時間が経ってしまっても「物損事故」として届け出が可能なので、泣き寝入りせずに対応しましょう。
修理費は誰が払う?相手に請求できるのか
ドアパンチやサイドミラーなどへの接触事故でも、相手に明確な過失がある場合は、修理費を請求する権利があります。これは民法上の「不法行為による損害賠償請求」が根拠になります。
請求には、修理見積書、事故状況の説明、証拠写真が必要になります。相手が任意保険に加入している場合は、相手側の保険会社が対応することもあります。逆に、相手が非協力的で費用を支払わない場合は、少額訴訟などの法的手段も検討しましょう。
修理費用の相場と実例
例えば、サイドミラーにできた3〜4cmの引っかき傷の修理は、1万〜3万円程度が一般的な相場です。ただし、ミラーの形状や塗装色、部品交換の有無によっても変動します。
ある事例では、黒の国産コンパクトカーのサイドミラーの塗装のみで約1万2千円、部品交換を伴ったケースでは約2万8千円の費用がかかっています。ディーラーより町の板金業者の方が安く済むこともあるので、複数の見積もりを取るのが賢明です。
事故後に警察へ連絡すべき理由
事故発生後に時間が経過してしまっても、警察への連絡は必ず行うべきです。理由は主に以下の3つです。
- 事故証明書がないと保険が使えない場合がある
- 後日トラブルを避けるために第三者の記録が必要
- 相手が否認した場合に備えた証拠が必要
物損事故としての届け出であっても、後から保険会社や弁護士などに状況説明を求められる可能性があるため、警察記録があることでスムーズな解決につながります。
トラブルを防ぐために普段からできる備え
車にドライブレコーダーを設置しておくと、当て逃げや接触事故などの際に非常に有効です。特に前後カメラタイプや360度録画できるモデルなら、駐車場でのドアパンチも記録可能です。
また、任意保険に「車両保険」や「弁護士費用特約」を付帯しておくと、相手との交渉が必要になったときに安心です。小さなトラブルでも法的に対応できる準備をしておくと、被害者になった際に泣き寝入りせずに済みます。
まとめ:冷静かつ迅速な対応でトラブルを最小限に
車をぶつけられた際は、たとえ相手がその場にいなかったり、時間が経ってしまっても、正しい手順を踏むことで損害をカバーできる可能性があります。証拠の確保、警察への届け出、修理見積もりの取得、そして相手への連絡や保険会社との相談を通じて、冷静に対応しましょう。
初めてのケースでも、この記事の手順を参考にすれば、スムーズな解決に近づけるはずです。まずは落ち着いて、できることから始めてみてください。