交通事故を起こしてしまったとき、気が動転して本当のことを話せなかった――そんな状況は誰にでも起こり得ます。特に「居眠り運転だったが、咄嗟に“わき見運転”と説明してしまった」といったケースでは、ドライブレコーダー（ドラレコ）に真実が映っているのでは？と不安になることもあるでしょう。この記事では、ドラレコによって事故の原因がどう特定されるのか、そして正直に向き合うべき理由と対応方法について解説します。
ドラレコで何が記録されるのか
ドライブレコーダーには、前方・後方映像、音声、加速度、GPS情報などが記録されます。中には車内カメラで運転手の表情や視線が録画されるタイプもあります。
例：ある事故では、前方カメラに加え、車内の映像で「目を閉じている様子」が記録されていたため、警察が居眠り運転と断定したケースがあります。
わき見運転と居眠り運転の違い
両者は似ていますが、刑事・民事の責任において大きな違いがあります。
- わき見運転：不注意（過失）による事故
- 居眠り運転：安全運転義務違反、重過失とみなされる可能性あり
つまり、「わき見」と「居眠り」では、行政処分や保険への影響が異なるため、原因の特定には慎重な調査が行われます。
警察や保険会社はどこまで調べる？
事故調査では、以下のような情報が照合されます。
- ドラレコ映像・音声
- 車両の走行履歴（急ブレーキの有無など）
- 目撃証言
- 本人の供述内容との整合性
たとえば、「ブレーキを踏まずに相手の車に衝突している」「声やいびきのような音が記録されている」などがあれば、供述の矛盾が指摘される可能性があります。
嘘をついたままだとどうなるのか
初期の供述で嘘をついても、後に証拠と食い違えば信用性が大きく損なわれます。これにより、以下のような不利が生じる可能性があります。
- 過失割合の判断で重い責任を課される
- 保険会社との示談交渉が難航する
- 刑事責任が重くなる（罰金・点数・免許停止）
実例では、事故当初に虚偽の申告をした結果、後に保険金の支払いが拒否されたケースもあります。
正しい対応と今後すべきこと
事故後に供述と事実が異なる可能性があると気づいた場合は、できるだけ早く修正申告することが大切です。
– 警察に再度事情を説明し、供述調書の訂正を相談する
– 保険会社に事故の詳細を正直に伝える
– 弁護士や自動車事故専門の相談窓口にアドバイスを求める
「うっかり」「焦って言ってしまった」ことは人間らしい反応ですが、事実を正直に伝えることで信頼を取り戻すことが可能です。
まとめ：ドラレコが真実を映す時代だからこそ、誠実な対応を
– ドラレコは運転手の挙動や音声まで記録可能
– わき見と居眠りでは責任の重さが異なる
– 嘘の申告は後々の信頼性を損なうリスクが高い
– 不安があるなら早期に訂正し、誠実に対応を
事故の事実と正しく向き合い、必要な対処をすることが、最終的には自分を守ることにもつながります。