交通事故を起こしてしまった後、当初は物損事故扱いだったものが、後日になって人身事故へと切り替わることがあります。このような状況は精神的にも大きな不安を招きますが、冷静に対応すれば過度に恐れる必要はありません。本記事では、事故後に人身事故へと切り替わった際に想定される流れと、今後の対応方法について詳しく解説します。
人身事故への切り替えとは?
交通事故では、事故直後にけがの申告がなければ「物損事故」として処理されます。しかし、事故から数日後に首や腰の痛みが現れた場合、被害者が病院を受診し診断書を提出することで「人身事故」に切り替えることが可能です。
今回のケースのように「当初は物損とされていたが、後日人身に切り替わった」というのは決して珍しいことではなく、むち打ち症などの症状が遅れて出てくることもあるため、法的に認められています。
人身事故になると何が変わる?
人身事故として扱われると、次のような変化があります。
- 加害者が「交通違反点数」を加算される可能性
- 軽微な事故でも「行政処分(免停等)」の対象になりうる
- 警察による実況見分が行われ、事故状況がより詳しく記録される
- 相手方の通院治療に対して自賠責保険の適用がされる
特に過失が認定されると、点数の加算と反則金が科される可能性があります。ただし、任意保険に加入している場合、慰謝料・治療費などの補償は保険で対応されるため、個人での負担は基本的に発生しません。
加害者に科される処分の例
以下は、事故内容に応じた点数加算と行政処分の一例です(軽微な人身事故を想定)。
違反内容 | 違反点数 | 処分 |
---|---|---|
安全運転義務違反+軽傷事故 | 3点 | 累積点数によっては免停 |
前方不注意による追突 | 2〜3点 | 免許停止の可能性あり |
一度の事故では免許取消になることは稀ですが、過去の違反歴が多い方は注意が必要です。
精神的な不安を和らげるために
「免許取消になるのでは」「刑事罰を受けるのか」といった不安を感じる方も多いですが、以下のような点を意識すると落ち着いて対応できます。
- 保険会社が被害者との交渉を基本的に行う
- 任意保険に加入していれば賠償金等は保険で対応される
- 初犯かつ軽微な事故であれば刑事罰の可能性は低い
また、事故後に真摯な謝罪や誠意ある対応をしていることも、相手側や警察の印象に影響する場合があります。
今後の流れと準備しておくべきこと
人身事故として処理されると、警察から実況見分の呼び出しや調書作成が行われます。また、以下のような対応も必要になる可能性があります。
- 自動車保険会社と密に連絡をとる
- 警察からの呼び出しには必ず応じる
- 記録やメモ(事故の経緯、通話履歴など)を整理しておく
- 必要に応じて弁護士に相談する
特に、点数制度や処分に不安がある場合、法テラスなどでの無料法律相談も活用できます。
まとめ:人身事故への切り替えでも落ち着いた対応を
交通事故が人身事故に切り替わった場合でも、冷静に対応すれば大きな問題になるケースは多くありません。初めてのことで不安が大きいかもしれませんが、任意保険のサポートを受けながら、誠意ある対応を続けることで状況は落ち着いていきます。
万が一に備えた情報整理と、必要に応じた法的相談を行いながら、適切に次の対応をしていきましょう。