自動車事故が発生した際に、修理費用の分担や保険会社とのやり取りは非常にわかりにくいものです。とくに「免責金(自己負担額)」が設定されている場合、その扱いを誤解してしまうと、損をしてしまうこともあります。この記事では、過失割合がある事故での費用負担の考え方や、免責金の扱いについてわかりやすく解説します。
免責金とは何か?
自動車保険の免責金(自己負担額)とは、事故が起きた際に契約者が自己負担しなければならない最低金額のことです。たとえば免責金が「5万円」と設定されている場合、保険でカバーされる損害額のうち最初の5万円は契約者が支払うことになります。
免責金の設定は保険契約時に選べることが多く、例えば「1回目5万円・2回目以降10万円」など段階的な設定がされることもあります。
過失割合がある場合の費用分担の流れ
事故において過失割合が8対2で、自分が2の過失とすると、原則的には自分の車の損害額のうち2割分(=過失相当分)を自分が負担する形となります。
例えば修理費が50万円の場合、相手方が40万円を支払い、残りの10万円が自己負担分になります。この10万円の中に、保険会社が負担してくれる金額が含まれるかどうかは、免責金の設定により異なります。
免責金が適用される場合の具体的な計算例
以下のような条件を想定します。
- 修理費:50万円
- 過失割合:自分2割
- 自己負担額:10万円
- 車両保険の免責金:5万円
この場合、保険会社は「免責金5万円を差し引いた金額」を支払うので、あなたが10万円のうち5万円を自己負担、残りの5万円を保険会社が補償することになります。
つまり、免責金は「自己負担部分」に対して適用されるというのが重要なポイントです。
保険を使うかどうかの判断基準
免責金額より損害額が小さい場合、保険を使わない方が良いケースもあります。なぜなら、保険を使うことで等級が下がり、翌年以降の保険料が上がってしまうためです。
例えば、修理費が6万円で免責金が5万円なら、保険から支払われるのは1万円です。このため、1万円のために保険等級を下げてしまうことが得策でないと判断されることもあります。
保険会社に確認すべきポイント
- 免責金がどのタイミングで適用されるか
- 免責金は事故のたびにかかるのか(初回と2回目以降で異なることも)
- 自己負担分に対する補償が可能か
- 免責金を超える部分の保険適用有無
これらを保険会社に事前に確認することで、後悔のない対応ができます。
まとめ:免責金は保険適用時の「最初に払う部分」
免責金は、事故の費用のうち保険が支払う前に契約者が負担すべき金額です。過失割合によって自分が負担する部分がある場合、その中の一部を保険会社が免責金を差し引いて支払ってくれるという仕組みです。
免責金が設定されている保険を利用する際は、過失割合や損害額に応じた計算を理解しておくことで、納得感のある損害賠償処理が可能になります。