日常生活の中でよくある交通事故の一つが、駐車場から公道に出る際の衝突事故です。特に、バックで出るか、前進で出るかによって過失割合が変わるのかという点は、多くのドライバーが気になるところです。本記事では、その違いや判断基準、実際の判例などをもとに詳しく解説していきます。
道路に出る際は「出る側」が基本的に不利
駐車場から公道に出る車両は、道路交通法上「進路変更車両」として扱われるため、基本的に道路を直進中の車よりも過失が重くなる傾向があります。
つまり、どちらの方法(前進・後退)で出たとしても、駐車場から出る車は「注意義務」がより重く課せられる立場になります。
バックで出ると過失はさらに重くなる傾向
判例や保険会社の事故対応基準では、バックで公道に出る行為は「より危険性が高い」とされるため、前進で出るよりも過失割合が不利になることが多いです。
例えば次のような基準が参考になります。
- 前進で出て衝突:出た車 70%、走行車 30%
- 後退(バック)で出て衝突:出た車 80%、走行車 20%
ただし、これは一例であり、状況や証拠の有無によって数%の調整が行われることもあります。
過失割合は「状況の詳細」で変わる
たとえバックで出た場合でも、道路を走行していた車にスピード違反や前方不注意があれば、過失割合が調整されるケースもあります。ドライブレコーダーの映像や目撃証言があると、正確な割合判断につながります。
反対に、駐車場から急に出たと判断されれば、さらに出る側の過失が増える可能性もあります。
実例:バックで出てきた車と衝突したケース
あるケースでは、狭い駐車場からバックで道路に出ようとした軽自動車と、道路を直進してきた乗用車が衝突しました。裁判では、バック車に85%の過失、走行車に15%の過失とされました。
この事例では、バックで出る際に一時停止せずに出た点や、後方確認を怠っていたことが影響しています。
保険会社への相談と事故状況の記録が重要
事故後は保険会社にできるだけ詳細な状況を伝えることが重要です。いつ、どこで、どのように衝突したのか、バックか前進か、相手の速度はどうだったかなど、細かい点が過失割合に大きく影響します。
また、ドライブレコーダーがあれば、客観的な証拠として大きな効果を発揮します。
まとめ:バックか前進かで過失は変わるが状況次第
駐車場から公道に出る際、前進よりもバックの方が危険性が高いとされ、過失割合で不利になる可能性が高いです。しかし、最終的な過失割合はその事故の具体的な状況によって変わります。
前進・後退いずれにしても、出る際には左右の確認を徹底し、少しずつ出る慎重な運転が必要です。