テレビを所有していると契約義務が発生するNHK受信契約ですが、実際に契約したまま支払っていない人も存在するといわれています。法律上の位置づけや未払い時のリスク、そして実際のケースなど、受信料にまつわるリアルな事情をわかりやすく解説します。
NHK受信契約の法的義務と支払いの原則
NHK受信契約は放送法第64条によって定められており、「受信設備を設置した者はNHKと契約しなければならない」と明記されています。このため、テレビ（ワンセグやカーナビ含む）を所有していれば契約義務があります。
ただし、契約しただけで支払いがなされていないケースも存在します。これは法律上、「契約義務はあるが、支払いは民事的請求」という構造になっており、強制執行されるためにはNHKが訴訟を起こす必要があります。
実際に支払いをしていない人は存在するのか？
総務省やNHKの公表資料によると、契約率は世帯全体で約80％程度であり、支払い率はそれよりも若干低めとされています。これはすなわち、契約はしていても支払いをしていない人が一定数存在していることを意味します。
例として、「訪問員に言われて仕方なく契約したが、後で調べて不満を持ち支払いを停止した」という声もあります。一方で、長期にわたって未払いのままで訴訟された例も実際にあります。
支払いをしないとどうなる？リスクと対応の流れ
NHKは、数か月〜数年にわたって支払いがない場合、電話・訪問・郵送などで催告を行います。それでも応じない場合、最終的には裁判所へ提訴され、支払い命令が下される可能性があります。
2020年代に入ってからも、未払いに対してNHKが訴訟を起こした事例が複数報道されています。中には100万円以上の支払いを命じられた例もあり、放置しておくと大きな金額になる可能性があります。
未払いが続いた場合の対処法と相談先
万一、過去に未払いが続いてしまった場合でも、すぐに支払いを始めれば柔軟に分割対応してくれるケースもあります。まずはNHKふれあいセンターへ相談することが基本です。
経済的な事情がある場合は、減免制度も用意されています。生活保護受給世帯や障害者手帳を所持している方などは対象になることがあります。
契約前に考えたい選択肢と留意点
近年ではテレビを所有せず、ネット配信で済ませる人も増えています。契約の義務があるのはあくまで「テレビなど受信機を設置している世帯」であるため、「設置していない」と明確に伝えれば契約を回避することも可能です。
なお、「契約書にサインしてしまったが、やっぱり解約したい」という場合は、テレビの撤去などの事実を示せば解約も可能ですが、一定の手続きが必要です。
まとめ：NHK受信契約は義務、未払いには注意
NHKの受信契約は放送法に基づく義務ですが、現実には契約後に未払いとなっている人も少なからず存在しています。しかし放置していると、訴訟や強制執行などのリスクが高まりかねません。
今後のためにも、契約・支払いの正しい知識を持ち、必要に応じて減免申請や相談を行うことが安心につながります。不安な場合は、消費生活センターや弁護士の無料相談を利用するのもひとつの手です。