交通事故による人身被害に遭った場合、多くの方が気になるのが「慰謝料はいくらになるのか」という点です。特に大学生やアルバイトなど収入が不安定な立場の方にとっては、休業損害の代わりとなる慰謝料が重要な補償となる場合があります。この記事では、大学生が被害者となったケースを想定し、通院期間・回数ごとの慰謝料相場や、知っておきたい申請のポイントについて詳しく解説します。
慰謝料はどう決まる?基本の計算基準
交通事故の慰謝料は、大きく3つの基準に基づいて計算されます。
- 自賠責基準(最低限の補償)
- 任意保険基準(保険会社独自の基準)
- 弁護士基準(裁判での相場に基づく高水準)
大学生など未就労の立場であっても、通院慰謝料は通院日数や期間に応じて支払われます。今回は最も一般的に用いられる自賠責基準を中心に紹介します。
自賠責基準での通院慰謝料の計算方法
自賠責基準での慰謝料は以下の計算式で算出されます。
通院1日あたり4,300円 × 通院日数または通院期間の2倍(少ない方)
たとえば「2ヶ月(約60日)の通院期間」で「実際に通院したのが5日間」の場合、5日 × 4,300円 = 21,500円が慰謝料の目安となります。
通院日数が少ない場合、通院期間を2倍してもその値を超えないため、5日通院の場合はその日数が採用されます。
大学生や無職でも慰謝料は受け取れるのか?
慰謝料は「精神的苦痛」に対する賠償であるため、大学生や無職でも原則として受け取ることができます。また、バイトをしていた場合などは「休業損害」の請求も可能です。
ただし、休業損害を申請しない場合はその分の補償は加算されません。慰謝料のみの請求となるケースが一般的ですが、それでも交通事故の損害補償の一部として支払われるべき項目です。
慰謝料を少しでも多く受け取るためのポイント
以下のようなポイントを押さえておくことで、正当な金額の慰謝料を受け取る可能性が高まります。
- 病院での診断書を必ず取得する
- 初診から継続的に通院する(間が空きすぎると慰謝料が減額されやすい)
- 通院日数を多く記録することで支払対象が増える
- 任意保険会社とやりとりする際の発言ややり取りを記録しておく
さらに慰謝料の増額を希望する場合は、弁護士に相談することで弁護士基準での交渉が可能になります。
具体例:大学生が通院5回・通院期間2ヶ月だった場合の慰謝料
今回のケースのように、「追突事故で100:0の過失割合」「通院2ヶ月」「通院5回」の条件では、次のように計算されます。
- 通院日数:5日
- 通院期間の2倍:約60日 × 2 = 120(実通院日数5日の方が少ない)
- 慰謝料:4,300円 × 5日 = 21,500円
このように、通院回数が少ないと金額はごく小額に留まることが多く、しっかり通院しておくことが慰謝料を受け取る上で重要です。
まとめ:慰謝料の目安と注意点を知って納得の補償を
大学生であっても、交通事故による通院には慰謝料が支払われます。金額は通院日数や期間によって変動し、目安としては1日あたり4,300円。5日通院した場合は2万円前後が想定されます。
より正当な補償を得るためには、継続的な通院や診断書の取得、保険会社との対応を丁寧に進めることがポイントです。必要に応じて弁護士への相談も視野に入れましょう。