ブックオフの“お値段がつかない本”は本当に店頭で売られているのか?買取ゼロ円と販売の関係を解説

古本チェーン「ブックオフ」で買取査定をすると、「お値段がつきませんが、こちらで処分しましょうか?」と聞かれた経験がある方も多いでしょう。ところが、その“価値がない”とされた本が店頭に並んでいるように見えるケースもあります。果たしてこれは適切な対応なのでしょうか?そして詐欺にはならないのでしょうか?

買取価格ゼロ=「無価値」ではない?査定の実態

まず知っておきたいのは、「お値段がつきません」というのは“市場価値がゼロ”という意味ではなく、販売価格に対して買取コストが見合わないという査定判断であるという点です。

ブックオフでは、同じ本でも状態や在庫量によって査定額が0円になることがあります。つまり“買取価格がゼロ円”というのは「無料で引き取る」という意味であり、処分または再利用(販売)を選べるという建前です。

ゼロ円引き取り後に店頭販売されることはあるのか?

実際、焼け・汚れが目立つ書籍や古い実用書などが、110円コーナーやアウトレット棚で販売されている例は確認されています。

これは、店舗の裁量で「無料で引き取ったが、一定の需要がある」と判断された商品を、状態説明を加えた上で再販している可能性が高いです。

つまり、「価値がない=販売不可」ではなく、「再販売できるが買取価格がゼロに設定されている」ケースもあるということです。

お客との合意内容とトラブル回避のポイント

査定時に「この本は値段がつきませんが処分してよろしいですか?」と聞かれた時点で、お客様が「お願いします」と答えれば、それは所有権の放棄(贈与)にあたります。

その後に店舗側が廃棄するか、再販するかは店舗の裁量に委ねられるため、原則として詐欺や違法行為ではありません

ただし、説明が不十分なまま「ゴミとして処分される」と誤解させたうえで利益を上げているとすれば、信義則上の問題が指摘される余地はあります。

古物営業法との関係と法的な観点

古物商(ブックオフ含む)は古物営業法の適用対象であり、買い取った商品を適切に管理・販売することが求められています。しかし、ゼロ円引き取り=買取契約成立とは必ずしもならず、無償譲渡(贈与契約)に基づく引き取りであれば古物台帳への記録義務も発生しないケースがあります。

そのため、制度上は「合法」ではあるものの、説明責任やお客様への誤認回避といった面では店舗ごとの差があり、透明性が問われる場面もあります。

再販を防ぎたい場合にできること

  • 査定時に「販売される可能性がありますか?」と確認する
  • 「持ち帰ります」と伝えて自分で処分する
  • 「廃棄を希望します」と明確に伝え、店の同意を得る

これにより、所有権の放棄を前提としない形で、より安心感をもって処分を進めることができます。

まとめ:ブックオフのゼロ円引き取りと店頭販売の関係性

・「お値段がつかない」は再販不可を意味しない

・ゼロ円引き取り=贈与契約として成立する可能性が高い

・店頭販売されても原則は合法。ただし説明不足なら問題に

納得できる取引のためには、査定時の会話と確認が非常に重要です。

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