高齢者をターゲットにした訪問販売のトラブルは、近年ますます増加傾向にあります。特に高額な布団や健康寝具の販売では、強引な営業や本人確認を偽るような不正な契約手法も報告されています。本記事では、布団メーカーなどの訪問販売に関する実例を紹介しつつ、法的な対応方法や家族ができる具体策について詳しく解説します。
訪問販売とトラブルが多い商品例
訪問販売では、特に高齢者に対して以下の商品がよく販売されています。
- 高額な羽毛布団・健康寝具
- 水素水生成器や健康グッズ
- 美容機器・マッサージチェア
営業手法は、「楽しい会話」「無料点検・クリーニングの提案」「期間限定キャンペーン」などを通じて徐々に信頼を得て、最後に高額な契約を迫るという流れが典型です。
なぜ高齢者が狙われやすいのか
高齢者がターゲットにされる理由には以下の要因があります。
- 営業を断りづらい世代的な傾向
- 話し相手が欲しいなど心理的要因
- 判断力や記憶力の低下による契約意識のあいまいさ
特に一人暮らしや家族と同居していても日中ひとりになる時間が長い高齢者は、営業マンの長時間訪問に巻き込まれやすいです。
家族の名前で勝手に契約された場合の対応
本人の同意なしに第三者が契約した場合、その契約は無効と主張できます。具体的には以下のように対応します。
- まず契約書・納品書の名義人とサインが自分のものかを確認
- 業者に対し、「本人の意思による契約ではない」ことを文書で通知
- 消費生活センター(188)に相談
- 悪質な場合は警察や弁護士への相談も検討
本人のなりすましや筆跡の偽造がある場合は、私文書偽造罪が成立する可能性もあります。
特定商取引法に基づくクーリングオフ制度
訪問販売では、商品を受け取ってから8日以内であればクーリングオフが可能です。
- 契約書の控えや納品日を確認
- 内容証明郵便でクーリングオフの意思を通知
- 商品の返送や代金支払いを拒否する旨も記載
また、商品に傷や使用の形跡がない限り、返品義務は販売者側にあります。
今後の対策:家族ができること
高齢家族の被害を防ぐために、以下のような対策が有効です。
- 訪問販売お断りのステッカーを玄関に貼る
- 家計管理の可視化や同席ルールを決める
- 固定電話に録音機能や着信拒否設定を導入
また、最近では自治体や消費生活センターが「見守り契約」や「高齢者向け消費生活講座」などの支援策を用意している場合もあります。
まとめ:早めの行動が被害拡大を防ぐ
今回のような訪問販売トラブルは、本人が被害と認識していないことが大きな問題です。家族が関心を持ち、契約の把握・消費生活センター相談・記録の保存を心がけることが、被害を未然に防ぎます。
万一すでに高額契約が行われていても、法律に基づいた対処が可能です。焦らず、冷静に一つひとつのステップを踏んで対応していきましょう。