歩行者や自転車が青信号で横断歩道を渡っているのに、スピードを緩めず突っ込んでくる車──これは都市部や見通しの悪い交差点などで多く見られる危険な現象です。今回は、なぜこのような事態が起きるのか、車側に法的責任はあるのか、そして事故を未然に防ぐための具体的な対策について詳しく解説します。
青信号でも危険が潜む交差点の実態
一見安全そうな青信号でも、「車が赤信号を無視して直進」するケースは意外と多く報告されています。特に見通しの悪い交差点や、車両側の赤信号と歩行者の青信号が同時に切り替わるような設計の交差点では、そのリスクが増します。
こうした環境では、「歩行者が青信号で渡る=安全」とは言い切れず、自衛的な安全確認が必要です。
信号無視の車に対する法的責任
車両が赤信号を無視して横断歩道を突っ切った場合、道路交通法第7条(信号遵守義務違反)に違反し、違反点数や罰則が科されます。さらに、歩行者や自転車と衝突した場合には刑事責任(過失運転致傷など)や民事責任(損害賠償)を負うことになります。
特に最近では、防犯カメラやドライブレコーダーの映像が証拠として活用され、現行犯でなくとも摘発されるケースも増えています。
警察に通報すべき?どんな対応が期待できるか
何度も危険な思いをする交差点がある場合、所轄の警察署や交通課に相談することで、状況に応じて以下のような対応を検討してもらえる可能性があります。
- 信号の時間調整(赤→青のタイミング改善)
- 看板や注意喚起の設置
- 取り締まりの強化(白バイ配置など)
- 信号機のLED化や警告音の設置
実際に東京都内では、住民の通報をもとに「信号が赤に切り替わってから青になるまでの猶予時間を延ばした」という事例もあります。
歩行者・自転車ができる安全対策
車両側の違反を完全に防ぐことは難しいため、歩行者や自転車側にも以下のような自衛策が求められます。
- 青信号でも左右を目視で確認
- 音にも注意を払い、エンジン音が近づいている場合は無理に渡らない
- 特に夜間や雨天時は反射材やライトで自己の存在をアピール
- 危険な交差点では無理に先頭で渡らず、他の歩行者の動きを見ながら渡る
また、自転車の場合はブレーキ性能も重要です。スピードを出しすぎず、すぐに停止できる状態を保つよう心がけましょう。
行政への相談・記録の重要性
危険な交差点に関する改善要望は、警視庁の交通相談窓口や、自治体の道路管理部署へ伝えることができます。その際、日時・状況・写真・動画など具体的な記録があると、説得力が増します。
また、地域の自治会を通して複数人で要望を出すと、対応が早まる傾向にあります。
まとめ:事故を防ぐには「確認+通報+協力」
青信号でも安心できない交差点においては、一人ひとりの注意と行政への働きかけが事故防止のカギを握ります。歩行者・自転車は常に周囲の確認を怠らず、同時に危険な交差点は警察や自治体に状況を伝えることが大切です。
命を守る行動を、今日から始めましょう。