「保険課から重要な連絡です」は詐欺?不審な自動音声電話の特徴と正しい対処法を解説

近年、固定電話や携帯電話に届く自動音声による詐欺まがいの電話が増えています。特に「保険証に関して重要なご連絡です」「これが最後の通知です」などと不安を煽るメッセージは、詐欺の典型パターンといえます。今回は、実際に報告が増えている事例をもとに、その手口と対策をわかりやすく解説します。

「保険課」「重要なご連絡」「オペレーターにお繋ぎします」は詐欺の定番文句

「保険課からです」「何度もご連絡していますが、今回が最終です」「1番を押してください」などの文言は、詐欺グループが使用する定型トークです。行政機関(市役所や区役所、保険者等)がこのような形で自動音声案内を行うことは基本的にありません。

公的機関からの連絡がある場合は、原則として文書や本人宛の電話による連絡が取られ、ボタン操作を求めるようなことはありません。したがって、このような電話は「ほぼ100%詐欺である」と考えて差し支えありません。

表示される不審な番号の特徴と仕組み

今回のように「1872」「1077」などから始まる、通常の電話番号とは異なる表示は、「国際電話の番号偽装」「プレフィックス詐欺」と呼ばれる手口でよく使われます。日本国内の通信網を経由していない場合や、発信元番号を偽装(スプーフィング)している場合もあり、着信履歴があっても信頼できません。

また、実際に存在する番号(市外局番など)に似せた偽装番号を表示させ、受信者を安心させようとする手口もあります。これらの仕組みを理解していれば、「知らない番号からの着信に出ない」「安易にボタンを押さない」という判断ができるようになります。

ボタンを押すとどうなるのか?

「1番を押してください」などの案内に従って番号を押すと、詐欺グループのオペレーターに直接つながるか、プレミアム通話料(高額通話料)が発生する可能性があります。そこからは、個人情報の聞き出しや金銭の請求、口座番号の提供などへと発展するリスクがあります。

また、電話番号が「生きている」ことが確認され、他の詐欺リストに登録される危険性もあります。

このような電話を受けたときの安全な対応

  • 絶対にボタンを押さず、即切断する
  • 着信番号をメモし、家族にも共有する
  • 消費者ホットライン(188)や最寄り警察に相談
  • 迷惑電話対策機能(ナンバーブロックなど)を活用

スマホ利用者であれば、迷惑電話アプリ(Whoscallなど)を導入しておくと、不審番号の事前警告を受け取ることが可能です。

実際に被害に遭った場合の対応方法

万が一、番号を押してしまったり、個人情報を伝えてしまった場合は、速やかに警察署や消費生活センターへ相談してください。また、被害が発生していなくても、「不審な電話を受けた」と報告すること自体が大切です。情報が集まることで行政が詐欺手口を把握し、対策が講じられます。

なお、すでに振り込んでしまった場合は、振込先銀行にすぐ連絡し「振り込め詐欺救済法」に基づく対応を依頼することも可能です。

まとめ:「重要なご連絡」は詐欺の常套句。落ち着いて対処を

「保険課からのご案内」「これが最終連絡です」などの文言で不安を煽り、ボタンを押させようとする自動音声は、新手の特殊詐欺の一種です。市役所や保険者を名乗っていても信用せず、即切断・通報が鉄則です。

不審な番号、不自然なメッセージ、急かす口調──これらの兆候があれば、まずは家族や専門機関に相談し、詐欺から身を守りましょう。あなたの冷静な判断が、被害を未然に防ぎます。

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