近年、光回線の勧誘電話によるトラブルが増加しています。よくわからないまま電話で「はい」と答えただけで契約が成立したとされ、後から困るケースも。この記事では、こうした電話勧誘による契約の成立条件や、トラブル時の対処法についてわかりやすく解説します。
電話勧誘での契約はどの時点で成立する？
日本の法律では、電話による勧誘も「特定商取引法」の訪問販売に該当し、明確な同意（契約の意思表示）がない限り契約は成立しません。「はいはい」と曖昧な返答をしただけでは原則として契約は成立しないとされています。
加えて、重要事項説明や契約内容の明確な説明がなされていない場合、その契約は法的に無効と判断される可能性があります。
個人情報を伝えていない場合のリスク
電話で自宅の住所などの個人情報を伝えていないのであれば、業者が勝手に工事を進めたり、実際にサービスを開始することは現実的に困難です。特に工事日や回線IDなどが未確定のままでは、プロバイダも回線切替の処理を行えません。
それでも不安な場合は、現在契約している回線業者に「切替申請が出ていないか」確認すると安心です。
業者に連絡がつかない場合の対応
何度かけても電話が繋がらない、連絡手段がないといった場合は、トラブルを未然に防ぐためにも消費生活センターや、国民生活センター（188）に早めに相談することをおすすめします。
また、トラブルが継続しそうな場合は、警察の生活安全課へ相談することも選択肢の一つです。相手が悪質業者の場合、類似被害が他にも報告されている可能性があります。
クーリング・オフ制度を活用する
仮に「契約が成立していた」とされても、電話勧誘での契約は、書面を受け取ってから8日以内であればクーリング・オフが可能です。書面が届いたらすぐに内容を確認し、必要があれば書面またはハガキで「契約解除」の意思を通知しましょう。
クーリング・オフの文面は全国の消費生活センターや消費者庁のウェブサイトでテンプレートが公開されています。
今後の被害を防ぐためにできること
今後のトラブル防止のため、見知らぬ番号からの電話には出ない、また出たとしても「契約する意思は一切ない」と明確に伝えることが重要です。通話の録音が可能な場合は、トラブル時の証拠として活用できます。
さらに、電話番号をブロックする、NTTなどに迷惑電話の相談をする、などの対策も有効です。
まとめ：あいまいな返答では契約は成立しないが、注意と対応が肝心
光回線の切替に関する勧誘電話では、曖昧な返事をしただけで契約が進んでしまうことはありません。しかし、悪質業者が誤解を装って進めようとするケースもあるため、不安を感じた時点で早めの相談と対応が鍵となります。
個人情報を渡していない場合のリスクは低いですが、念のため契約中の回線業者にも状況を確認し、二重契約を防ぎましょう。消費者としての権利を知って、安心してサービスを選びましょう。