交通事故で愛車が全損となってしまった場合、その後の対応に戸惑う方は少なくありません。特に補償金が確定するまでの間に次の車を購入してもいいのか、購入タイミングが補償金額に影響するのかなど、不安要素が多くあります。今回は、保険の過失割合や車両価格の補償が未確定の状況下で、車の買い替えを検討している方に向けて、判断のヒントや注意点を解説します。
全損時の補償金はどう決まる?
車両が全損と判断された場合、補償される金額は事故時点での車両の時価額をもとに算出されます。これは新車購入時の価格ではなく、市場での中古車価格や車両の状態に応じて決まるため、購入価格との差が大きくなることもあります。
10:0で相手が全額補償するケースでは、相手保険会社が「査定人」などを通して時価額を決定します。弁護士が介入して交渉を進めている場合、交渉の進行によって補償金の決定が遅れるケースもあります。
買い替え前に補償金額がわからない場合の対応
車を購入する前に補償金額が決まっていないと、購入金額と支給金額に差が出る可能性があります。補償金を頭金に充てようと考えている場合は、自己資金で一時的に立て替える覚悟が必要です。
たとえば300万円の補償を見込んでいても、査定によって250万円とされることがあります。新車を早急に購入したい場合は、自己資金で頭金を用意し、後から補償金で補填する形が現実的です。
購入タイミングが補償金額に影響するか?
原則として、買い替えの有無や時期は補償金額の算定には直接影響しません。補償されるのはあくまで「事故による損害」なので、買い替えた車が高価でも安価でも関係はありません。
ただし、補償金額の根拠があいまいな場合、相手保険会社が買い替えた車の情報を求めてくるケースもあります。これは補償額を吊り上げるためではなく、参考情報として扱う程度のものです。
代車の利用期限にも要注意
代車が使える期間にも限りがあります。一般的には事故から30日程度が目安とされており、それ以降は実費になるか、延長の交渉が必要です。
代車が返却となる前に買い替えの見通しを立てておくことは、日常生活に支障をきたさないためにも重要です。保険会社や弁護士と連携しながら、代車期限までのスケジュールを逆算して動くと良いでしょう。
弁護士に相談する際のポイント
弁護士が介入している場合、補償金交渉の主導権を握ってもらえる一方、スケジュールの見通しが立ちづらくなることもあります。次の点を相談してみましょう。
- 補償金額の概算がいつ頃わかるか
- 支払い時期の見込み
- 10:0交渉が長引いた場合の代替策
また、新車を購入する際にローン利用が必要であれば、補償金額を記載した仮見積書などを弁護士経由で作成できるかも相談可能です。
まとめ:補償が未確定でも準備は計画的に
車の全損事故後に買い替えを検討する場合、補償金の確定を待たずに行動することも可能ですが、その際は自己資金の準備や弁護士との連携が鍵となります。
「今すぐに車が必要」という状況であれば、購入を進めつつ、後から補償金で埋め合わせるという考え方も一つの選択肢です。ただし、予想より補償金が少なかった場合のリスクも頭に入れておきましょう。