医師でない個人がネット上で診断するのは違法?医師法との関係をわかりやすく解説

インターネット上では、質問サイトやSNSを通じて健康相談を行う場面が増えています。その中で「○○という症状なら△△病だと思いますよ」といったアドバイスを、医師免許を持たない一般人が書き込んでいる場面も見受けられます。では、こうした行為は法的に問題があるのでしょうか?今回は、医師でない人がネット上で診断行為を行うリスクについて、医師法との関連を中心に解説していきます。

医師法で定められた「診療行為」とは

日本の医師法第17条では、「医師でなければ医業をしてはならない」と明記されています。ここでいう「医業」とは、人の身体に対して診断、治療を目的として行う行為を指します。つまり、病名を断定するような行為や、治療法を提示する行為は原則として医師のみが許可されているのです。

実際には、「診断行為のような記載」を行っただけで直ちに医師法違反になるわけではないものの、程度や文言によっては問題になる可能性があります。

ネット上の書き込みが問題になるケース

たとえば以下のような書き込みは、医師法違反とされるリスクがあると指摘されています。

  • 「その症状なら○○病ですね。薬は△△を飲んでください」
  • 「あなたは××という病気なので、すぐに手術が必要です」

こうした内容は、個人の推測に基づくものだとしても、診断行為とみなされる可能性があるため注意が必要です。特に、質問者が真に受けて治療の方針を変えてしまうような影響力のある投稿は危険です。

セーフな情報提供とアウトな発言の境界

では、どの程度までが許されるのでしょうか。以下は一般的に問題が起こりにくい例です。

  • 「私の場合、似た症状で○○という診断を受けました。医師に相談してみては?」
  • 「ネットで調べた限り、△△という可能性もあるようですが、あくまで一例です」

このように、「自身の経験の共有」や「参考情報の提供」に留め、診断や治療の決定を本人と医師に任せるスタンスが重要です。

実際の摘発事例はあるのか?

ネット書き込みに限って医師法違反で摘発された事例は極めて稀ですが、実店舗型の整体院やカウンセラーが「病気を治す」と広告して摘発されたケースは複数存在します。

つまり、書き込みが商業的に影響する場合や、診断が断定的かつ継続的である場合には法的リスクが高まると考えられます。

トラブルを避けるためのポイント

  • 病名を断定しない
  • 「医師に相談を」と結ぶ
  • 個人の体験談として記載
  • 薬や治療法の具体名に言及しない

誰かを助けたい善意のつもりでも、言葉一つで違法行為の疑いを招く可能性があります。特に医療知識を多少持っている方ほど、書き込みには細心の注意を払いましょう。

まとめ:善意でも法的リスクはゼロではない

ネット上で病気の相談を受けたとき、「こうじゃないか」と伝えたくなる気持ちはよくわかります。しかし、診断や治療を装った発言は、医師法違反に問われるリスクがあることを認識しなければなりません。

安全な情報提供のポイントは、あくまで経験談や参考意見として伝え、最終判断を医師に委ねるという姿勢です。

健康に関する知識は大切ですが、その扱い方も同じくらい重要。法的リスクを避けつつ、正確な情報の共有を心がけましょう。

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