【司法書士試験対策】所有権更正登記における相続欠格と代襲相続の取扱いを徹底解説

不動産登記法における所有権の更正登記は、相続の過程で誤って登記された内容を修正する手続きとして重要です。特に相続人に欠格事由がある場合や、代襲相続が発生する場合には、その法的効果と登記実務を正確に理解しておく必要があります。この記事では、相続欠格と代襲相続が絡むケースにおける所有権更正登記のポイントを具体例を交えて解説します。

相続欠格とは何か?

相続欠格とは、民法891条に定められた要件に該当する者が法律上当然に相続人としての資格を失うことを指します。たとえば、故意に被相続人を殺害しようとした場合などが該当します。

相続欠格は「当然に」その効果が発生するため、家庭裁判所の審判などを経る必要はありません。したがって、相続人としての地位そのものが最初からなかったとみなされます。

代襲相続の基本とその法的効果

相続欠格者に子(直系卑属)がいる場合、その子が代襲相続人となります(民法887条2項)。つまり、欠格者の子は、本来その親が受け取るはずだった相続分を代わって取得します。

この代襲相続は、相続の開始と同時に法定相続として発生し、別途申立てを要するものではありません。

更正登記の適法性と登記名義の修正

本件のように、相続登記においてC(欠格者)を相続人として登記してしまった場合、これは誤登記にあたります。このような場合は、不動産登記法第71条に基づく所有権更正登記の申請が可能です。

登記義務者は、誤って登記されたCとなり、登記権利者は代襲相続人Dとなります。更正後の登記名義人は、正しい法定相続人であるB及びDとする形で申請が行われます。

登記実務上の取り扱い

このような更正登記の申請には、法定相続情報一覧図や戸籍謄本等により、Cが相続欠格者であること、Dが直系卑属であることを証明する必要があります。

また、登記原因証明情報として、相続の原因・日付・欠格の事実および代襲の要件を記載し、登記官にとって明確に相続権の移転を裏付ける内容とすることが求められます。

実例:代襲相続が認められた所有権更正登記

たとえば、Aが死亡し、相続人としてBおよびCの2人の子がいたが、Cには相続欠格事由があることが後日判明した場合、本来Cに代わってCの子Dが相続することになります。このとき、BとCで所有権移転登記がされた後、所有権更正登記により、登記義務者C、登記権利者Dとして、最終的にBおよびDが登記名義人となります。

この実例は、司法書士試験でも問われる重要な論点であり、実務上でも頻出のケースです。

まとめ:所有権更正登記における相続欠格と代襲の理解がカギ

相続欠格と代襲相続が関係する場合の所有権更正登記は、誤った登記を正しく修正するための法的根拠と手続の正確な理解が必要不可欠です。登記義務者・権利者の関係や添付書類の精査を行い、登記官が誤登記であると認めるよう、丁寧な申請書作成が求められます。

司法書士試験においても、こうした具体的な登記実務の知識が問われるため、条文と実例をリンクさせながら理解を深めておきましょう。

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