ネット通販で注文した商品が届いたとき、商品本体に貼られていた値札の金額が注文時の価格と大きく違っていたら、少し驚いてしまいますよね。特にそれが、購入価格よりも明らかに安い値札だった場合、「これは騙されたのか?」「法律的に問題はないのか?」と疑問に思う人も少なくないでしょう。この記事では、そうした価格表示の食い違いが起きたときの法的な視点や消費者としての対処法を解説します。
ネット通販と店頭価格の違いに法的問題はあるのか
まず前提として、オンライン販売と店舗販売では、販売形態や価格設定が異なることは合法です。よって、オンライン上で500円で販売されていた商品に、100円の店頭値札が付いていたとしても、それだけでは違法ではありません。
消費者契約法や景品表示法に照らしても、「取引の実態がオンラインでの合意に基づいていた」のであれば、契約上の価格はあくまで500円となります。店舗で100円で販売されていた事実があっても、それを購入者が直接確認できない限り、法的問題にはなりません。
景品表示法における不当表示の観点
ただし、「あたかも通常は高値で販売しているように見せかけて、実は安値の商品を通常価格と称して販売する行為」は、景品表示法で定める「有利誤認表示」に該当する可能性があります。
たとえば「通常価格980円のところ、今なら500円!」と表示しながら、実際には100円の値札がついた商品であれば、優良誤認または有利誤認に問われる可能性もあります。
消費者庁や国民生活センターへの相談も視野に
価格の表示に疑問を感じたときは、消費者庁や、国民生活センターに相談することも一つの手段です。
このような相談窓口は、企業に直接問い合わせづらい場合や、明らかに不当と感じるケースで頼りになります。特にネット通販業者の販売姿勢に問題があると感じた場合は、複数の報告が集まることで行政指導に繋がることもあります。
購入者ができる対応策とは?
価格に差異があったからといってすぐに違法性があるとは言い切れませんが、納得がいかない場合はまず業者に問い合わせることが大切です。商品の値札の写真を添えて、「現物と価格に違いがあるが、どういうことか?」と問い合わせましょう。
企業側の対応が誠意あるものであれば、何らかの説明や返金などが行われる可能性もあります。逆に不誠実な対応であれば、SNS等で情報共有したり、消費者センターに相談して注意喚起するのも有効です。
まとめ:価格の違いは必ずしも違法ではないが注意が必要
ネットで500円で購入した商品に100円の値札が貼ってあった場合でも、それが即座に違法行為というわけではありません。販売チャネルの違いや価格戦略の範囲である限りは、許容されるケースが大半です。
ただし、表示に不当性がある、誤認を誘うような説明があったなど、消費者に不利益を与える要素があれば、法的措置の対象になることもあります。疑問を感じた際は、記録を残し、冷静に対応する姿勢が大切です。