1800万円の返済が滞った場合に取れる法的手段とは?少額訴訟の限界と現実的な対応策

高額な返済計画が実行されない場合、法的な手段を講じることが必要になることもあります。特に、覚書に基づいて返済が行われている場合、その効力や手続きの選択肢を理解しておくことは非常に重要です。

覚書が法的効力を持つ条件とは

覚書とは当事者間で交わされる契約文書であり、金銭の返済などについて合意した内容を明文化したものです。

法的効力を持たせるには、「返済金額」「分割方法」「支払期日」「遅延損害金」「署名・押印」などが明記されていることが重要です。これらが明確であれば、契約書と同様に裁判の証拠として機能します。

少額訴訟制度の概要と限度

少額訴訟とは、60万円以下の金銭請求を簡易迅速に処理するための制度です(民事訴訟法第368条)。

1800万円の債権全体については少額訴訟の対象外ですが、「1回分の分割金=例えば225万円を8回払いで、1回目の未払い分が30万円」などであれば、その未払い分だけに限定して少額訴訟を提起することは可能です。

少額訴訟のメリット・デメリット

メリットには「1回の期日で判決が出る」「費用が安い」「手続きが簡素」などがあります。

一方、同一被告に対し1年に10回までしか提起できないことや、裁判官の判断で通常訴訟に移行されることがあるため、高額債権には不向きという側面もあります。

1800万円の債権を回収する現実的な方法

・まずは公正証書化しておく(将来の強制執行がしやすくなる)

・1回分ごとに未払いがあれば、都度その金額に応じた民事訴訟、または内容証明などで催告

・債務者に支払い意思が見られない場合は、分割計画の全体違約を理由に一括返済請求や民事訴訟を提起

訴訟以外の解決方法も検討

訴訟は時間も労力もかかるため、第三者を通じた話し合いやADR(裁判外紛争解決手続)などの方法も有効です。

特に「金銭貸借に特化した調停」や「法テラスを通じた無料相談」などを活用することで、円満解決につながることもあります。

まとめ:分割金額ごとに対応策を検討するのがポイント

・1800万円全体は少額訴訟の対象外ですが、未払い分が60万円以下なら対応可能です。

・まずは契約内容の証拠化(書面、署名)と支払い状況の記録が重要です。

・場合によっては、少額訴訟→通常訴訟→強制執行など段階的対応を検討しましょう。

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