公正証書遺言を作成する際に通帳は必要?全財産相続のケースをわかりやすく解説

公正証書遺言を作成しようと考える際、「通帳はすべてそろっていなければならないのか?」「通帳記帳して最新残高にしておく必要があるのか?」といった疑問を持たれる方が多いです。特に『○○に全財産を相続させる』といった包括的な表現を用いる場合、その具体的な準備について理解しておくことが大切です。

公正証書遺言に通帳のコピーや記帳は必須?

結論から言うと、公正証書遺言を作成する際に通帳の写しをすべて揃える義務はありません。ただし、公証人が内容を確認しやすいように、通帳の口座情報(銀行名・支店名・口座種別・名義など)や残高の参考資料を持参しておくとスムーズです。

また、最新の金額にしておくことが法律上の必須事項ではありませんが、正確な財産把握や後の相続手続きの円滑化を考えると、記帳しておくことはおすすめです。

「全財産を相続させる」場合の記載方法

遺言書に「○○に全財産を相続させる」と記載する包括遺贈の場合、具体的な資産の明細を記載する必要は基本的にありません。ただし、どの財産が相続に該当するかを後に確認するために、作成時点で存在する財産一覧を把握しておくことは非常に重要です。

例えば、公正証書遺言の参考資料として、以下のような情報を整理しておくと良いでしょう。

  • 通帳の名義・銀行名・支店名・口座番号
  • 不動産の登記簿謄本
  • 有価証券・保険証券・貸金庫の情報

遺言作成時の注意点とトラブル防止策

財産の記載を曖昧にすると、遺言執行時に相続人間でトラブルが生じるリスクがあります。例えば、「全財産」の解釈が曖昧だと、預貯金以外の資産の帰属が不明瞭になることも。

このような誤解を防ぐためには、包括的表現のほかに補足資料を別途作成しておくのが有効です。たとえば財産目録を別添えで作成し、定期的に更新するなどの工夫も考えられます。

公証人との打ち合わせ時に求められる情報

公証人は、遺言者の意思と内容が正確かつ適切であることを確認する義務を負っています。そのため、財産の概要や家族構成、相続関係などを詳しく尋ねられる可能性があります

通帳を最新化しておけば、公証人にとっても内容確認がしやすく、書類作成の精度も高まります。また、信頼できる証人2名の同席も求められますので、その準備も並行して進めましょう。

相続時の手続きがスムーズになるためのポイント

遺言書に財産の明細が記載されていなくても、遺言執行者が財産調査を行うことが可能です。ただし、すべての情報が散逸していると時間や手間がかかるため、相続人に迷惑をかけないよう、財産情報はまとめて保管しておくと良いでしょう。

たとえば、「相続手続きファイル」などに通帳コピー、不動産資料、保険証券などを一式で保管しておくと安心です。

まとめ|通帳は必須ではないが、準備しておくと安心

公正証書遺言を作成する際、通帳の写しや最新の記帳は法的に必須ではありません。しかし、財産の全容を公証人に正しく伝えるため、そして将来の相続人の手続きの簡略化のためにも、通帳情報はできる限り整理し、最新の状態にしておくことが望ましいです。

また、財産の内容を把握しやすいよう、別紙にて財産目録を添える方法も併せて検討しましょう。公証人や専門家との相談を通じて、後悔のない遺言書を作成していきましょう。

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