交通事故の過失割合は、道路交通法や判例をもとに算定されますが、状況によって細かな判断が分かれるケースもあります。特にウインカーの表示とは異なる挙動をとる車との事故では、どちらにどれだけの過失があるかを判断するのが難しくなることがあります。
左折の意思表示からの急な直進は違反になる?
左折ウインカーを出して一旦左に寄せた後、再び元の車線に戻って直進するという行為は、後続車の予測を裏切る動きであり、「進路変更時の安全確認義務違反」などに該当する可能性があります。
このようなケースでは、進路変更した車両側に大きな過失が認められることが多いですが、後続車側の注意義務違反(前方不注視)もゼロではないため、必ずしも100:0にはならない傾向があります。
過失割合の参考になる判例や事例
類似の事故においては、進路変更車が70〜80%の過失を負うケースが一般的です。たとえば、左折ウインカーを出して減速した車が直進に戻って後続車と接触した場合、以下のような過失割合となることがあります。
- 進路変更車:80%
- 後続直進車:20%
ただし、追越しや並走していた車両が速度超過などをしていた場合、後続車の過失割合が引き上げられる場合もあります。
ドライブレコーダーの映像が重要な証拠になる
事故時の詳細な動きを証明する手段として、ドライブレコーダーは非常に有効です。特に、相手がウインカーを出したままどのような動きをしたか、急な進路変更だったかどうかは、録画映像によって明らかになります。
保険会社もドライブレコーダーの映像をもとに過失割合を判断するため、提出を求められた場合はできるだけ協力しましょう。
事故後にやるべきこと:連絡と証拠の保全
事故後は必ず警察に連絡し、事故証明を取得してください。その後、保険会社に事故状況を正確に報告し、ウインカーの状態や相手の動きなども細かく伝えることが大切です。
可能であれば、目撃者の連絡先や現場の写真、車の損傷部位の記録も残しておくと、後の交渉がスムーズになります。
まとめ:ウインカーの誤った挙動による事故は相手に高い過失がある可能性大
ウインカーと実際の挙動が一致しない車との事故では、その車両側に高い過失が認められる可能性があります。とはいえ、後続車にも安全確認の義務があるため、完全に無過失とは限りません。
事故状況の証拠をしっかり残し、保険会社と冷静に対応することが、納得のいく解決につながります。