交差点での右折は、複数の確認事項が重なりやすく、ひとつのことに集中してしまうと別のポイントを見落としてしまうリスクがある場面です。特に歩行者、自転車、対向車と注意すべき対象が多いため、「何かを確認すると他が抜けてしまう」という悩みは多くのドライバーが抱えています。今回は、右折時の確認漏れを防ぐための具体的な対策を紹介します。
なぜ「見落とし」は起こるのか？
交差点では視覚情報が多く、脳がすべてを同時に処理できないことがあります。特に「対向車が見えづらい」状況では、対向車に意識が集中しすぎてしまい、歩行者や自転車の確認が疎かになる傾向があります。
これは「注意の選択的集中」と呼ばれる心理現象で、人間の脳が特定の情報に集中すると、他の情報の処理が落ちるためです。意識的に確認手順を決めることでリスクを軽減できます。
右折時の「確認ステップ」を明確にする
事故を防ぐには、交差点ごとにルーティン化した確認手順を身につけることが有効です。以下のステップを意識してみましょう。
- 横断歩道・歩道の確認（先に見る）
- 対向車の確認（譲り合いも含めて慎重に）
- 再度、横断歩道と歩道を確認
このように「横断歩道→対向車→横断歩道」の順で再チェックすることが、自転車や歩行者の見落とし防止につながります。
「高リスク交差点」では一呼吸置く判断も
対向車が右折待ちなどで見えづらい場合、対向車が通過するまで待つという選択肢も重要です。「急がない」判断こそが安全運転です。
また、視認性が悪い場合は窓を開けて音にも意識を向けることで、自転車のブレーキ音などを早期に察知できることもあります。
運転中の“脳の処理限界”を意識しよう
人間の注意力には限界があります。運転中に“何かを意識すれば、他が抜ける”という傾向を自覚していれば、より慎重になれます。運転歴が長くなると「慣れ」で省略しがちな確認も、再度意識するようにしましょう。
例えば、「横断歩道の自転車は右側から来るかもしれない」と思っておくだけで、視線の動きも自然と右側に行くようになります。
便利グッズ・安全装備を活用する
最近では、交差点での確認支援として車載ドラレコのリアルタイム表示や、ドライバーアシスト機能（歩行者検知、前方注意喚起など）を搭載した車も増えています。車の安全機能を使いこなすことも、ミスを防ぐ手段の一つです。
また、運転席からの死角を補うために小型のミラーや、ダッシュボードカメラのサブモニター表示なども有効です。
まとめ：右折時の「確認順序」をルーティン化しよう
交差点での右折時に何かを見落とさないためには、「確認手順のルール化」と「一呼吸おいて安全確認」が重要です。
特に、歩行者や自転車の動きは予測しにくいため、最後にもう一度確認するという意識づけが効果的です。ルーティンと心構えで、安全な右折を習慣化していきましょう。