交通事故の保険申請において、事実関係の一部を誤って伝えてしまったり、意図的に虚偽の申告をしてしまうケースがまれに見られます。特に自損事故では、事故の原因や行動経緯に関する申告内容が保険金の支払い可否を大きく左右することがあります。本記事では、事故前後の説明に誤りがあった場合にその嘘が保険会社にバレる可能性や、調査の実態について詳しく解説します。
自損事故とは？保険の基本的な仕組み
自損事故とは、他人や物に損害を与えることなく、自分の車両や身体に損害が生じた事故を指します。例えば、ガードレールへの衝突や電柱への接触などが該当します。通常の自動車保険では、自損事故保険や車両保険の特約が付いていなければ、補償対象外になることがあります。
そのため、保険会社は事故内容と契約条件が一致しているかを確認するため、事故の発生状況を詳細に調査することが一般的です。
申告内容の「嘘」はどうバレるのか？
保険会社は次のような手段で事実確認を行います。
- ドライブレコーダー映像の提出：事故時の走行データや会話が録音されており、矛盾があれば指摘されます。
- 現場検証・物損の確認：実際の現場や破損個所から、申告された事故状況と合致するかどうかを確認します。
- ETC・スマホの位置情報：事故時刻と行動履歴が一致するかを照会することも。
- 証言の食い違い：同乗者や通行人、警察の記録と照合されることがあります。
たとえ軽微な違いでも、「不正請求」の疑いがかかると調査の対象となります。
虚偽申告によるリスクと保険会社の対応
保険会社への虚偽申告が発覚した場合、以下のような不利益が生じる可能性があります。
- 保険金の不支払いまたは返還請求
- 契約の解除または今後の契約拒否
- 保険会社の「情報照会ネットワーク」への登録
- 場合によっては詐欺罪での告発（刑事罰）
特に繰り返し虚偽申告を行った場合、他社にも履歴が共有されるため、将来的に保険加入そのものが困難になることもあります。
「つい話を盛ってしまった」場合の対処法
事故の内容に関してうっかり誤情報を伝えてしまった場合でも、気づいた時点で速やかに保険会社へ訂正の連絡を入れることが大切です。
担当者によっては柔軟に対応してもらえるケースもあり、早めの自己申告が信頼につながることもあります。
実際のケースと教訓
ケース1：夜間にガードレールに衝突した事故。本人は「居眠り」と伝えると不利益があると考え、「急な飛び出し」と説明したが、ドラレコで実際の様子が明らかになり、減額処理に。
ケース2：酒気帯び運転を隠すために事故時刻を数時間ずらして申告。ETC記録と警察の報告に食い違いがあり、保険金が全額支払われなかった。
まとめ：正確な申告が信頼と補償につながる
自損事故の申請において、事故の前後の行動に関して虚偽の報告をしてしまうと、その内容が保険会社に調査され、場合によっては大きなペナルティを受けることになります。
正確な申告がスムーズな保険金支払いや将来的な信用維持につながります。万が一誤って伝えてしまった場合は、早めに訂正することで被害を最小限に抑えることができます。