元交際相手が起こした事故で保険料が上がった場合、補償を求めることはできるのか?

大切な車を他人に運転させた結果、事故により保険料が上がってしまったという経験は少なくありません。とくに交際相手や家族など、信頼している相手による事故の場合、その後の責任や補償の在り方に悩む方も多いのではないでしょうか。本記事では、元恋人が自分の車で起こした事故により保険料が上がった場合の対応方法について、具体的に解説していきます。

■他人が運転して起こした事故と保険の仕組み

自動車保険は「車両」につける保険であり、原則として車の所有者や記名被保険者が責任を負う形になります。つまり、たとえ運転者が別人であっても、保険契約者の事故として扱われるのです。

そのため、友人や恋人が運転中に事故を起こしても、その責任は保険契約者(多くの場合、車の所有者)に帰属します。これにより、翌年度の等級が下がり、保険料が上がるケースが一般的です。

■事故による保険料の増加と補償の現実

では、その保険料の増加分を事故の加害者に請求できるのかというと、法的には難しい面があります。民事上、損害賠償請求は可能ですが、「事故を許可して運転させた」「当時は同意があった」という点が争点となることが多く、実際に損害分を全額請求するのは困難です。

ただし、当人同士の合意により補填してもらうことは可能です。たとえば「保険料が○万円上がる見込みだから半分負担してほしい」といった話し合いで解決するケースもあります。

■実際に補償を求めた事例と対応

例えば、筆者の知人のケースでは、交際中にパートナーが事故を起こし、保険料が年間3万円上がりました。その後別れた際に「次年度以降3年間で9万円ほど負担が増える」と伝えたところ、パートナーから任意で3万円の補填があったとのことです。

これは当時の関係性と、話し合いの誠意によるものですが、法的義務があったわけではありません。

■今後のリスク回避のためのアドバイス

他人に車を貸す際には、「運転者限定特約」や「年齢条件」をよく確認しておく必要があります。必要であれば「他人運転危険補償特約」を付けておくことで、他人が起こした事故に対しても補償範囲が広がります。

また、運転を許可する際には、トラブルがあった場合に備え、あらかじめ「事故時の責任はどうするか」などの取り決めを口頭でも確認しておくと安心です。

■感情ではなく冷静な判断を

事故の原因となった相手が今では元恋人である場合、感情的な対立を避け、実務的な話し合いを心がけるのがベストです。「補填してもらえるのが当然」と思ってしまうと、話し合いがうまくいかないこともあります。

「保険料が○円上がった」という事実と、相手が運転していた経緯を伝えたうえで、誠意ある協議を行いましょう。

■まとめ:損害請求は難しいが話し合いは可能

他人に車を貸して事故を起こされた場合、保険料の増額は原則として契約者が負担します。ですが、相手が誠意を持って対応してくれるのであれば、話し合いによる補填も可能です。

最終的には感情に流されず、事実に基づいて冷静に判断し、納得できる形で対応を進めることが大切です。

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