空き部屋を有効活用して外国人旅行者や留学生に貸し出すことは、収入の足しになる一方で、法律上のルールも押さえておく必要があります。特に民泊や短期賃貸には、一定の条件や届出が求められます。
有料で外国人を自宅に泊める行為は違法?
まず前提として、宿泊料金を受け取る目的で第三者を自宅に泊める行為は、内容によっては旅館業法に該当する可能性があります。これは日本人でも外国人でも関係ありません。
ただし、オーナーが住んでいる住宅の一部を貸し出す「ホームステイ型民泊」であれば、一定の条件を満たすことで合法的に運営できます。
住宅宿泊事業法(民泊新法)の登録が必要
2018年に施行された「住宅宿泊事業法」により、年間180日以内の民泊営業を行う場合には都道府県に届出を行うことで合法的に運営できます。
例えば、東京都内で1階を自分たちが住みながら2階の1室を外国人に貸し出す場合も、この住宅宿泊事業法の届出が求められます。
特区民泊や旅館業法による運営との違い
住宅宿泊事業法以外にも、「旅館業法の許可」または「特区民泊の認定」を受けて運営する方法もあります。
たとえば大阪市や東京都大田区など、特区民泊の対象地域では、住民票の移動がなくても180日制限なしで運営できるケースがあります。
外国人を対象とした場合の追加配慮事項
外国人を対象とした場合は、以下のような点にも注意が必要です。
- パスポートの写しの保存(住宅宿泊事業法に基づく)
- 外国語対応のガイドラインやハウスマニュアル
- 緊急連絡先や避難経路の明示
これらは観光庁が定める「宿泊者の安全確保のための措置」としても推奨されており、信頼性の高い運営につながります。
罰則や違反のリスクは?
無許可で宿泊料を受け取って貸し出すと、旅館業法違反で罰則の対象となることがあります。罰則は最大で6か月以下の懲役または100万円以下の罰金と重いため、しっかりと届出を行うことが大切です。
また、近隣住民とのトラブルや通報がきっかけで行政から調査されるケースも少なくありません。
実例:家計支援のために合法民泊を始めたケース
実際に、ローン返済が厳しい中で空き部屋を使い、合法的に民泊運営を始めた家庭もあります。東京都内に住むAさんは、2階建て住宅の1室を登録し、年に数回の利用でローン返済の一助に。
住宅宿泊事業法に基づく届け出により、安心して運営でき、外国人旅行者との交流もプラスに働いたと語っています。
まとめ:収入確保と法令遵守を両立するには
外国人に部屋を貸して宿泊料金を得ること自体は、届出や許可を適切に行えば合法です。逆に無届けのまま運営すれば、法律違反となるリスクがあります。
まずはお住まいの自治体の窓口や観光庁の住宅宿泊事業届出システムで詳細を確認し、安心して合法的な運営を行いましょう。