「警察に言っても構わない」と言うのは違法?煽り表現と法的リスクを徹底解説

日常のトラブルやネット上のやり取りで、時折耳にする「警察に言っても構わない」「訴えたければ勝手にどうぞ」というような発言。こうした発言が感情を逆撫ですることは多いですが、果たして法的に問題となる可能性はあるのでしょうか?本記事では、こうした“煽り表現”と法律の関係について、民事・刑事両面から解説します。

こうした発言は基本的に「違法」ではない

まず結論から言えば、「警察に言っても構わない」「訴えてみればいい」といった発言自体は、法的に違法とされることは基本的にありません。これらは表現の自由の範囲内とされ、相手に明確な権利侵害が生じていなければ、処罰の対象にはならないのが原則です。

ただし、その発言の文脈や態度、言い方によっては別の法律に抵触するリスクがあります。

場合によっては「侮辱罪」や「名誉毀損」に該当することも

煽り口調で「勝手に警察に行けばいい」と言い放つことで、相手の社会的評価を不当に貶めたり、侮辱的な文脈で使用された場合は、刑法上の侮辱罪や名誉毀損罪に問われる可能性もあります。

たとえばSNSで「お前ごときに何ができる。訴えるなら勝手にしろ」といった発言を公開で行い、特定の個人を晒した場合、その内容や意図次第では名誉毀損や業務妨害の要件を満たす可能性があります。

民事上のトラブルに発展するリスクも

感情的なやり取りで「訴えてみろ」などと発言した結果、相手が不快感を受けたり、精神的苦痛を感じた場合、慰謝料請求(不法行為に基づく損害賠償)の対象になるケースも考えられます。

たとえば、職場や学校などの上下関係がある状況で一方的に言われた場合、発言の背景にパワハラやモラハラ的要素があると判断されることがあります。

実例:SNSでの挑発が法的トラブルに

2021年、あるインフルエンサーがネット上の誹謗中傷に対して「名誉毀損で訴えればいいじゃないですか。こっちは堂々としてますから」と発言したところ、その発言自体が反訴のきっかけになった事例があります。

このように、「堂々としている」と主張しても、文脈次第では煽りや挑発とみなされる可能性がある点には注意が必要です。

感情ではなく、冷静に対応することが大切

トラブル時に感情的な発言をしてしまうのは人間らしい行動ですが、その一言が思わぬ法的トラブルを招くこともあります。特に書面やSNSに記録が残る形で発言した場合、それが後に証拠として扱われる可能性がある点も見落とせません。

相手に対して「訴えたければどうぞ」と返すよりも、「ご心配であれば警察などに相談してください」などの冷静な表現の方が、安全かつ効果的です。

まとめ:煽るつもりがなくても誤解されるリスクに注意

「警察に言っても構わない」「訴えたければどうぞ」といった発言は違法とは限りませんが、文脈や相手の受け取り方によっては、法的リスクを孕むことがあります。

トラブル対応では、感情的にならずに冷静な対応を心がけることが、自分を守る最善の方法です。万が一、法的な判断が必要な場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

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