交通事故で公共物を破損した場合、加害者には弁償責任が生じます。とくに道路標識などのインフラは高額になることもあり、すぐに対応できずに悩む人も少なくありません。この記事では、事故後2年以上経っても弁償できていないケースに焦点を当て、そのリスクや今から取れる対策を解説します。
道路標識破損は「財産損壊」であり損害賠償義務が発生
交通事故で道路標識などを破壊した場合、道路の管理者(国や地方自治体)に対して損害賠償責任を負います。これは民事上の責任であり、刑事罰とは異なります。
警察による事故処理の段階で破損状況や責任の所在が記録され、行政側から後日「弁償請求」や「損害賠償請求」が行われるケースが一般的です。
催告が来ないまま2年経過した場合の時効や対応
弁償の請求には時効があります。道路標識などの破損に対する損害賠償請求は通常「5年間」が消滅時効期間です。ただし、時効は「請求がない=免除される」わけではなく、将来的に突然請求が来る可能性があります。
特に地方自治体などは、請求を忘れているわけではなく、内部処理の遅れや予算処理上の都合で時間がかかることもあるため油断は禁物です。
逮捕される可能性はあるのか?
弁償が遅れているだけでは、逮捕される可能性は極めて低いです。道路標識の破損は、悪質な故意でない限り刑事事件には発展しません。
警察は「事故の届け出と処理」を担当するだけで、弁償交渉や督促は基本的に管理者(自治体など)から行われます。ただし、自治体側が訴訟を起こしてきた場合は無視できません。
お金がないときの現実的な選択肢
- 分割払いの相談:役所や道路管理者に連絡し、誠意を見せて分割での支払い希望を伝える
- 法テラスの活用:収入条件を満たせば無料相談や支払い猶予のアドバイスが得られる
- 市民相談窓口の利用:自治体の相談窓口で生活困窮者向けの対応を教えてもらえる
借金を避けたい気持ちは理解できますが、放置よりも「まず話をする」ことが重要です。連絡するだけでも状況が大きく変わることがあります。
過去の類似事例から学ぶべきこと
例えばあるケースでは、事故後3年間何も通知が来なかったが、4年目に市から弁償請求があり、分割で20万円を1年かけて支払ったという例があります。
逆に「催告が来ないからもう大丈夫」と思い込んでいたら、裁判所から訴状が届いたという事例もあります。請求がないからといって安心しないことが大切です。
まとめ:誠意を見せて早めの行動を
弁償を放置したままにするのは不安が続くだけでなく、将来的なリスクもあります。今すぐ全額を払えなくても、「連絡して相談すること」で多くのケースは柔軟に対応してもらえます。
本当に困っているなら、法テラスなど公的支援を活用しながら、できる範囲で誠意を見せることが最善の対応と言えるでしょう。