交差点や側道で直進車が近づいているにもかかわらず、こちらの顔をじっと見つめながら強引に右折してくるドライバーに遭遇したことはありませんか?このような危険な運転行動には、複数の心理的・行動的背景があります。この記事では、そうしたドライバーがなぜそのような運転をするのか、そして私たちがどのように対処すべきかを考察します。
直進車の存在を認識しているのに右折する心理とは
「こちらをガン見しながら右折してくる」ドライバーは、実は直進車の存在をしっかり認識していることが多いです。しかし、その認識にも関わらず右折してしまうのは、次のような心理が影響しています。
① 強引な交差点優先意識:「行けるうちに行かないと後続車に迷惑」と感じて無理に進むケース。
② アイコンタクトによる通行の“確認”と誤解:相手の顔を見ることで、「通してくれるかもしれない」と期待しているドライバーも少なくありません。
危険な右折をする人に見られる特徴
強引な右折をする人は、次のような傾向を持っていることがあります。
- 交通ルールよりも“自己判断”を優先する
- 状況判断が甘く、タイミングの見誤りが多い
- 後続車を気にして焦っている
- 「譲ってくれるはず」という希望的観測に依存している
これらはいずれも、安全運転の原則からは逸脱しています。特に「目が合った=譲ってくれた」と早合点するのは、重大な事故の引き金になりかねません。
ドライバー間の“アイコンタクト”は通用するか
日本では、運転中のアイコンタクトはあまり意味を持ちません。欧米では一部通用する地域もありますが、日本の交通社会では、アイコンタクトによる意思疎通は非常に危険です。
運転中の意思表示は、明確なウインカーや徐行、停止などの「行動」で行うのが基本です。目を見ただけで「行ける」と判断されてしまうと、事故リスクが高まります。
このような運転への対処法
すれ違いや右折進入が予想される場面では、以下のような行動を心がけましょう。
- 減速して相手の動きに備える:強引な進入があっても対応できる余裕を持つ
- ライトやクラクションで意思表示を避ける:誤解を与えかねない
- 「こちらを見ている=譲る意図」と解釈しない:相手の行動が不確実な場合は必ず警戒する
自分が優先でも、「ぶつけられ損」になってしまうこともあるため、防衛運転を意識しましょう。
類似事例とトラブルの回避策
たとえば、繁華街の側道に入ろうとする右折車が、対向の直進車の速度を無視して割り込んできた事例では、ドライブレコーダーの映像で「直進妨害による過失割合が9:1」で右折車がほぼ全面的に責任を問われました。
こうした事例を踏まえ、ドラレコの設置や冷静な運転行動は、トラブル回避の重要な手段になります。
まとめ
直進車の存在を認識しながらも強引に右折するドライバーは、自分勝手な解釈や焦り、誤った意思疎通のつもりで行動していることが多いです。その行為は交通事故の大きな原因となるため、私たちは決して油断せず、周囲の動きをよく観察しながら、安全運転を心がける必要があります。
目が合っても、それは「譲り合いのサイン」ではなく、「注意の警告」だと心得ておくべきでしょう。