鉄道ファンや音鉄ファンにとって駅の接近メロディは魅力的な対象ですが、録音してネットにアップロードする行為には著作権の問題が伴います。本記事では、駅メロの録音や公開が法的にどう扱われるのか、実際にトラブルになった例、そして注意すべきポイントを解説します。
接近メロディにも著作権がある
駅の接近メロディ(通称「駅メロ」)は、一般的に作曲家や音響制作会社が制作しており、その音源や楽曲は著作権で保護されています。著作権は著作者に自動的に発生し、たとえ駅で流れている音を録音しても、それは著作物の複製に該当する可能性があります。
特に、ネットにアップロードして他者に公開した場合、「公衆送信権」や「送信可能化権」の侵害になるケースがあり、著作権者の許諾なしに行えば違法とされることがあります。
私的利用の範囲とアップロードの違い
自分の端末に録音して個人的に楽しむ分には「私的複製」として認められる可能性がありますが、YouTubeやSNSへのアップロードはそれを超える行為です。
たとえば、以下のような行為は著作権侵害となるおそれがあります:
- 駅メロを録音してYouTubeに動画を投稿
- 駅メロを編集してBGMとして再利用し公開
- 他者の録音データを転載
実際にあった削除要請や著作権トラブル
過去には、接近メロディを無断でYouTubeにアップしたことにより、音源提供会社やJASRACから削除要請が来たケースが多数あります。特にサウンドファクトリーやスイッチといった制作会社は、自社音源の無断利用に敏感です。
また、駅メロの多くはJR東日本や京急、阪急電鉄などが特定の目的で使用しており、商用利用や配布については厳しく管理されています。
合法的に楽しむ方法もある
違法にアップすることなく、公式CDや配信サービスで合法的に駅メロを楽しむことも可能です。多くの鉄道会社では駅メロを収録したアルバムを販売しており、正規ルートでの入手が推奨されます。
さらに、イベントや特設展示会では録音・配布許可付きのサンプル配布が行われることもあり、ファンとしてマナーを守る楽しみ方が推奨されています。
録音が違法になる境界線とは
駅で実際に流れている音を録音すること自体を規制する法律はありませんが、それを公開・配信するかどうかがポイントです。たとえば、次のような違いがあります。
行為 | 著作権上の扱い |
---|---|
駅で録音して個人的に聴く | 原則OK(私的利用) |
YouTubeに無断で投稿 | NG(公衆送信権の侵害) |
商用利用・編集して再配布 | NG(複製・翻案権の侵害) |
まとめ:駅メロの録音と公開は慎重に
駅の接近メロディは多くの人に愛されていますが、その音源や構成は著作権によって守られています。たとえ自分で録音したものであっても、著作権者の許可なく公開・配信することは原則としてNGです。
トラブルを避けるためにも、正規の音源を購入する・録音した音は個人利用にとどめるといった基本を守ることが大切です。音鉄活動を楽しむ際には、法律とマナーの両方を意識しましょう。