近年、定期購入商法に関するトラブルが後を絶ちません。特に「初回○○円」や「○○日返金保証」といった表現に惹かれて購入したものの、解約や返金がうまくいかず、困ってしまうケースが増えています。本記事では、行政処分を受けた事業者の商品を契約していた消費者が直面する問題と、対応策について解説します。
定期購入契約の落とし穴と誇大広告の関係
インターネット通販で見かける「初回無料」や「90%オフ」といった広告。これらは一見魅力的ですが、実は多くの場合「定期購入」が前提であるケースがほとんどです。これを見逃すと、解約しない限り自動的に継続され、高額請求に繋がることもあります。
こうした商法については、消費者庁もたびたび注意喚起を行っており、誇大広告や表示の不備により行政指導や業務停止命令を受ける事業者も存在します。
行政処分された企業との契約の法的位置づけ
行政処分は企業の広告や営業行為に問題があったと判断された場合に行われるものですが、これが即座にすべての契約を無効にするわけではありません。つまり、行政処分があっても「契約自体」は法的に有効である可能性があります。
ただし、消費者が誤認して契約していた場合や、表示が明らかに違法であった場合は、民法上の「錯誤」や「詐欺」に該当する可能性があり、契約の取り消しや損害賠償を請求できる余地もあります。
返金・解約を求める際の具体的な対応方法
- 契約時の広告のスクリーンショットや資料を保存しておく
- 企業とのやり取り(メール・通話履歴)を記録
- 消費生活センターや国民生活センターに相談
例えば、国民生活センター(https://www.kokusen.go.jp/)では、定期購入トラブルに関して年間多数の相談が寄せられています。行政指導を受けた企業であれば、対応マニュアルが整っている可能性もあるため、交渉がスムーズになるケースもあります。
「規約優先」は必ずしも絶対ではない
企業側が「規約に基づいて解約不可」と主張していても、そもそもその規約自体が不当な内容だった場合は、公序良俗に反する条項として無効と判断される可能性があります。
特定商取引法では、誤認を誘うような表示は禁止されています。加えて「顧客にとって一方的に不利な条項」は、消費者契約法により取り消される可能性もあります。
返金交渉が困難な場合の次の一手
交渉に行き詰まった場合は、弁護士に相談するのが有効です。法律相談は弁護士会や法テラス(https://www.houterasu.or.jp/)を通じて無料または低料金で受けられることもあります。
また、クレジットカードで支払った場合は「チャージバック(支払取消)」という制度を利用できる場合があります。カード会社に問い合わせてみるのもひとつの手段です。
まとめ:泣き寝入りせず行動を
定期購入商法によるトラブルは多くの人が直面しています。行政処分を受けた企業との契約であっても、法的に対抗できる余地はあります。証拠を残しつつ、冷静に第三者機関や法律の専門家へ相談することで、返金・解約の可能性を高めることができます。
まずは一人で抱え込まず、公的機関に相談することが最も重要です。