個人経営の飲食店や小売店などでのアルバイトは、柔軟な働き方ができる一方、トラブルのリスクもあります。とくに「給料が払われない」といったケースは、事前に備えておくことで防げることも。本記事では、未払い時の対応方法や証拠の残し方を、法律の観点も含めて詳しく解説します。
個人経営店舗で起こりやすい給料未払いの事例
従業員数が少ないお店では、労務管理が曖昧な場合があり、口約束で働き始めると「給料が払われない」「いつ支払われるのか分からない」などのトラブルが起こることも。
実際、アルバイトが初めての学生や主婦が「給与をもらえなかった」「泣き寝入りした」といった事例も報告されています。
まず確認すべき労働条件通知書と契約書
働く前に必ず「労働条件通知書」または雇用契約書をもらいましょう。これには以下の項目が明記されています。
- 賃金(時給・日給など)
- 支払日・締切日
- 勤務時間・休憩・休日
- 雇用期間
口約束だけで働き始めると、トラブル時に立場が弱くなります。
証拠として残しておくべきもの
もし万が一に備えるなら、次のようなものを記録・保存しておくと安心です。
- 出勤の記録(LINEやメモでもOK)
- 時給やシフトのやり取りをしたチャット履歴やメール
- 給与明細や手渡しであれば封筒の写真
- 銀行振込なら通帳や振込明細
スマホのスクリーンショットでも充分証拠になります。
給料が支払われないときの相談窓口
給与が支払われない場合、まずは店主に話し合いの場を持ちましょう。それでも解決しない場合、以下の機関に相談可能です。
- 労働基準監督署(未払い賃金の相談や是正指導)
- 労働条件相談ほっとライン(電話無料・匿名相談可)
- 都道府県労働局のあっせん制度
なお、警察は原則として民事不介入なので、労働基準監督署が最も現実的な対応窓口です。
未払いが発生したら何をすべきか
ステップは以下のとおりです。
- LINEや書面などで「○月○日までにお支払いをお願いします」と記録を残す
- 期日を過ぎたら労働基準監督署へ相談
- 必要に応じて内容証明郵便を送付
内容証明郵便には法的拘束力はありませんが、「裁判も辞さない」意思表示として強力なアピールになります。
まとめ:小さなバイト先でも自己防衛を忘れずに
✔ 給料未払いを防ぐには、雇用契約書や労働条件通知書の確認が最重要。
✔ 日々の出勤記録や会話のスクリーンショットなど「働いた証拠」をこまめに残しておきましょう。
✔ 未払いが起きたら、警察ではなく労働基準監督署が基本窓口。初期対応としてはLINEやメールで請求し、それでもダメなら内容証明郵便や相談機関を活用。
アルバイトとはいえ、自分の労働には正当な対価を受け取る権利があります。トラブルを未然に防ぎ、安心して働くための備えをぜひ参考にしてください。