借金が膨らんだとき、自己破産を選ぶべきか迷う方は多いものです。中でも「400万円程度で自己破産はもったいない」と言われるケースがありますが、それは本当なのでしょうか?この記事では、400万円の借金を抱えたときの現実的な対処法と、自己破産以外の手段について具体的に解説します。
自己破産とは?基礎知識と手続きの概要
自己破産とは、裁判所を通じてすべての債務を免除してもらう法的手続きです。生活再建を目指す最後の手段として有効ですが、資産の処分や信用情報への登録(ブラックリスト入り)などのデメリットも伴います。
借金の額が400万円前後であっても、返済が現実的でない状況であれば自己破産は選択肢になりえます。重要なのは金額の大小よりも、返済能力です。
400万円の借金はどの程度重いのか?
400万円の借金は決して少額ではありません。たとえば年収300万円の方が毎月10万円返済しても完済には4年以上かかり、利息を含めるとそれ以上の負担になります。
一方で、収入が安定していて生活に余裕がある場合は、他の債務整理(任意整理など)での解決も十分可能です。重要なのは、「無理なく返済できるかどうか」を冷静に判断することです。
任意整理や個人再生との比較
- 任意整理:債権者と交渉して利息をカットし、元本のみを分割で返済する手続き。自己破産と異なり、資産を処分する必要はありません。
- 個人再生:元本を最大80%減額(最大5分の1)し、3〜5年で返済する計画を立てる手続き。住宅などを保持しつつ債務整理できるメリットがあります。
これらは自己破産に比べて信用情報への影響が少なく、職業制限もないため、状況によっては非常に有効です。
「もったいない」と言われる理由とその裏側
「400万円で自己破産はもったいない」と言われる理由には以下の背景があります。
- 自己破産のデメリット(信用情報、資格制限、資産処分など)
- 任意整理などの方が将来の信用回復が早い
- 返済が可能なケースでは免責が認められないこともある
ただし、借金の理由(ギャンブルなど)や返済不能状態の程度によっては、やはり自己破産しか選択肢がない場合もあります。
弁護士への相談は必須?費用感は?
債務整理を考える際には、弁護士や司法書士に無料相談することが第一歩です。費用の相場は以下のとおりです。
- 任意整理:1社あたり2〜5万円+成功報酬
- 個人再生:20〜50万円程度
- 自己破産:20〜40万円程度
収入が少ない方は、法テラス(https://www.houterasu.or.jp/)を通じて費用の立替制度も利用できます。
まとめ:自己破産は「金額」ではなく「状況」で判断する
借金が400万円あるからといって、必ずしも自己破産が「もったいない」とは限りません。大切なのは、自分の収入・生活状況・将来設計を踏まえたうえで、最適な解決手段を選ぶことです。
一人で悩まず、早めに専門家に相談することで、再スタートへの道が開けます。自己破産に踏み切るかどうかは、「最終手段」かつ「新たな始まり」として、冷静に検討してみましょう。