信号付きT字路での右折と自転車の通行ルール|事故時の過失割合と注意点

信号のあるT字路で右折する際、横断歩道を通過する自転車と接触する可能性があります。このような場面では、自動車・自転車双方に法律上のルールが定められており、それを正しく理解していないと事故の責任問題に発展することも。この記事では、T字路交差点における自転車の通行ルールと、もしもの事故時の過失割合について、専門的な視点で解説します。

信号付き交差点と横断歩道における自転車の扱い

道路交通法上、自転車は「軽車両」として扱われるため、基本的には車道通行が原則ですが、横断歩道を渡ることも認められています。特に歩行者用信号が青の場合、自転車もそれに従って横断することが可能です。

ただし、自転車が「自転車横断帯」を通らずに横断歩道を通過している場合や、自転車を降りずに速度を緩めずに突っ切るような行為は、注意義務違反とされる可能性があります。

自動車の右折時に求められる注意義務

車両が右折する際、進行方向にある横断歩道に歩行者や自転車が存在する場合は、進行を一時停止して通行を優先させる義務があります(道路交通法第38条)。このルールは、たとえ信号が青でも変わりません。

そのため、自転車が信号に従って横断歩道を通過していた場合、車側に「安全確認不足」や「一時停止義務違反」が問われることがあります。

事故が起きた場合の過失割合は?

右折車と横断歩道を通行する自転車の事故では、過失割合は状況によって異なりますが、以下のような一般的な傾向があります。

  • 自転車が青信号で横断歩道を通過:車80%・自転車20%
  • 自転車が赤信号で横断:車20〜30%・自転車70〜80%
  • 自転車が急な飛び出し・横断歩道外通行:車40〜50%・自転車50〜60%

ただし、事故時の速度、接触位置、防犯カメラ映像の有無などによって調整が入るため、実際は個別の事案により変動します。

実際の事例:交差点での自転車事故

ある判例では、信号付き交差点で右折した車と、歩道から飛び出してきた自転車の接触事故において、自転車が青信号であったものの、減速せずに交差点へ進入した過失が問われ、自転車の過失が30%と認定されました。

一方、車側も安全確認を怠ったことが認定され、70%の過失が認められています。これは典型的なケースですが、接触位置や双方の速度が変わると割合は変動します。

安全のために守るべきポイント

交差点では以下のポイントを守ることで、事故を未然に防ぐことができます。

  • 右折時は横断歩道の歩行者・自転車の有無を必ず確認
  • 自転車が歩道から来る可能性にも備えて減速する
  • ドライブレコーダーを搭載して万一の証拠を確保する

特に早朝・夕方など視認性の低い時間帯では、注意義務を徹底しましょう。

まとめ

信号付きT字路での右折時、自転車が青信号で横断歩道を通過していた場合でも、自動車には通行を妨げない義務が課されます。事故が発生した際の過失割合は、自転車の動きや信号の状況、自動車側の確認義務などによって変動します。自転車が違反かどうかに関係なく、車側も慎重な運転が求められるため、交差点では十分な注意を払いましょう。

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