パート勤務中に事故や病気で欠勤し、退職後も休業損害の手続きが残るケースは珍しくありません。源泉徴収票の発行や休業損害証明書の作成については、多くの人が不安を感じる場面でもあります。この記事では、退職後でも必要な書類をきちんと受け取れるのか、企業側の対応義務や実務的な流れについて詳しく解説します。
退職後でも源泉徴収票は受け取れる
源泉徴収票は、雇用期間中に給与の支払いがあったすべての労働者に対して発行が義務付けられています。退職の理由や雇用形態にかかわらず、企業は発行を拒否できません。
一般的には、退職後1か月以内に送付されるのが通例ですが、企業の事務処理の都合で遅れることもあります。1か月を過ぎても届かない場合は、電話や書面で正式に請求しましょう。
休業損害証明書は退職後でも作成してもらえる?
交通事故などにより仕事を休んだ場合、勤務先に「休業損害証明書」の作成を依頼する必要があります。これは保険会社へ提出し、損害賠償請求の根拠となる重要な書類です。
退職後であっても、その期間に該当する雇用実態がある限り、企業には証明書の作成協力義務があります。民法上でも「信義則(しんぎそく)」に基づき、協力を拒むことはできないとされています。
証明書の作成が遅れる原因と対応
事務担当者が書類の内容に不慣れな場合や、業務が繁忙期で後回しになることがあります。しかし、あまりにも遅延が続く場合は、催促や書面での確認依頼を行うのが効果的です。
以下のような手段が有効です:
- 会社宛に書面で「書類作成のお願い」や「回答期限」を記載して送付
- 保険会社から直接、会社に連絡してもらう
- 労働基準監督署や弁護士への相談を示唆することで対応を促す
保険会社の催促が続く場合の対処法
保険会社は事故の損害認定手続きのため、証明書を必要としています。被害者側としては、対応が遅れている理由を丁寧に説明することが大切です。
保険会社が理解を示してくれることもありますが、時間がかかることを見越して早めに会社に催促をかけるべきです。
企業が証明書の作成を拒否した場合の相談先
企業が明確に証明書作成を拒否する、または連絡が取れない場合には以下の機関へ相談しましょう。
- 労働基準監督署:退職者でも対応してくれるケースがあります。
- 労働組合(ユニオン):地域の個人加盟ユニオンがサポートしてくれることがあります。
- 弁護士:必要であれば法的な請求や損害賠償も視野に入ります。
まとめ:退職後でも冷静に手続きを
源泉徴収票も休業損害証明書も、退職後であっても適切に受け取る権利があります。手続きの途中で退職してしまった場合でも、企業には協力の義務があります。放置せず、段階的に連絡・催促・相談を行いましょう。
早めの対応がスムーズな解決につながります。