スマートフォンやメール、ハガキを通じて突然届く「未納料金の請求」や「法的手続き開始のお知らせ」。それはもしかしたら、架空請求詐欺かもしれません。本記事では、現代でも多発している架空請求詐欺の典型的な手口と、実際の事例を交えながらその見分け方や対策法について詳しく解説します。
よくある架空請求詐欺の手口とは?
架空請求とは、実際に利用していないサービスや支払い義務のない料金を請求される詐欺のことを指します。典型的な手口として以下のようなものがあります。
- SMS(ショートメール)での未納料金通知:「コンテンツ使用料が未納です。至急連絡ください」などと記載され、連絡先の電話番号が記載されている。
- 架空の弁護士事務所や裁判所名を語る文書:「法的手続きに入ります」「訴訟準備中」といった脅し文句が使われる。
- 有料動画サイトの未納金請求:身に覚えのない動画サイト利用料を支払えというパターン。
- 偽のハガキや封書による請求:「消費料金に関する訴訟最終告知通知」などと書かれた文書が届く。
これらは実在する機関名や企業を騙っていることが多いため、特に注意が必要です。
実例で学ぶ:被害に遭った人のケース
ある50代男性は、携帯に届いた「料金未納のため、法的手続きに移行する」というSMSに焦り、記載されていた番号に電話。そこでオペレーターに「今すぐコンビニで電子マネーを買って番号を伝えてください」と言われ、言われるがまま数万円を支払ってしまいました。
また、70代の女性が「訴訟最終告知」のはがきを信じて弁護士を装った人物に連絡し、相談料として現金書留で現金を送ってしまった事例もあります。
こんな表現が出たら危険信号
以下のような文言が含まれるメッセージや書類は、架空請求の疑いが高いです。
- 「訴訟の取り下げには連絡が必要です」
- 「法的措置を回避したい方は今すぐご連絡ください」
- 「ご家族・勤務先に連絡します」
これらの表現は、相手に不安や焦りを与え、冷静な判断をさせないようにするのが狙いです。慌てず無視し、絶対に連絡しないようにしましょう。
実在機関の名を語るパターンに要注意
国民生活センター、東京地裁、消費者センターなど、実在の公的機関の名を騙っている場合もあります。文書が本物に見えるよう巧妙に作られていることもあるため、「これは本物かも」と思ってしまいがちです。
しかし、本物の公的機関がメールやSMSで支払いを求めてくることはありません。疑わしい場合は、記載の連絡先ではなく、公式サイトの問い合わせ窓口に確認しましょう。
架空請求に遭った場合の対処法
不安になったときは、一人で抱え込まず、まずは消費者ホットライン(188)に相談しましょう。無料で専門の相談員がアドバイスしてくれます。
また、詐欺に応じてしまった場合は、最寄りの警察署や「警察相談専用電話 #9110」に通報してください。支払いの証拠(振込明細、レシート、メッセージなど)があれば、できるだけ残しておきましょう。
まとめ:冷静な対応が被害を防ぐカギ
架空請求は、誰にでも届く可能性のある身近な詐欺です。しかし、その多くは、連絡しない・支払わない・相談するという3つの基本を守ることで防げます。少しでも不安を感じたら、専門機関に相談し、冷静な対応を心がけましょう。
身の回りの人にも注意喚起し、情報を共有することで、被害の連鎖を断ち切ることができます。