交通事故で弁護士を依頼したのに治療費が自己負担?転院時の連携不足と対処法を解説

交通事故に遭い、被害者側であっても手続きや支払いを巡って思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。特に弁護士特約を使って弁護士を依頼しているのに、医療機関との連携不足によって自己負担が発生するというケースは決して珍しくありません。本記事では、急性期病院からリハビリ病院への転院に際して情報共有がされておらず、支払いを求められたケースを例に、被害者が取るべき対応と弁護士の役割について解説します。

交通事故で弁護士を入れても油断できない“情報伝達の落とし穴”

弁護士を立てることで、保険会社とのやり取りや賠償交渉を任せられる安心感があります。しかし、それによって自分では何も伝えなくても大丈夫と思い込んでしまうのは危険です。

特に病院の転院など医療機関に関する情報は、被害者本人からの連絡がなければ保険会社側に伝わらないケースもあります。弁護士がその橋渡しをしていなければ、保険会社は新しい病院への支払い手続きを始められません。

なぜ実費請求される事態が起こるのか

リハビリ病院などで急に「実費で支払ってください」と言われる背景には、次のような理由があります。

  • 加害者側の保険会社が新しい医療機関の情報を把握していない
  • 保険会社の支払承諾が届いていないため病院側が一時的に患者に請求
  • 弁護士が医療機関との直接連携を行っていなかった

これは患者側の過失ではありませんが、医療現場では実務的に「支払いが確認できるまで保留」という対応が取られることがあります。

弁護士に任せているのに情報が伝わっていないのは誰の責任?

弁護士が入っているにもかかわらず保険会社との情報共有がなされていなかった場合、弁護士の業務遂行に不備があった可能性があります。ただし、弁護士が「転院したことは把握しているが、情報提供は依頼者が行っていると認識していた」ということも考えられます。

このような行き違いを防ぐには、「病院名・転院日・担当医・病院の連絡先」を弁護士に文書で正確に伝えるとともに、「保険会社への情報共有もお願いしたい」と明確に伝えることが大切です。

今からできる対応と再発防止のポイント

  • 現在のリハビリ病院の窓口に「交通事故の相手方保険で対応予定である」と明確に伝える
  • 弁護士に対して「相手保険会社に転院先の情報が伝わっていなかった」と事実を伝え、早急に連絡してもらう
  • 未払い分が発生している場合は、仮払い後に保険会社からの返金を求める形で進める

また、今後は重要な連絡はLINEや口頭だけでなく、メールや書面にして残すことで、「言った・言わない」の行き違いを防げます。

弁護士特約があるからこそ、依頼者側も“任せきり”にしない工夫を

弁護士特約によって費用を負担せずに弁護士を使えるのは大きなメリットですが、弁護士に任せればすべて自動で進むわけではありません。医療や生活の変化は必ず逐一報告し、伝達が必要な事項については「保険会社への連絡も含めてお願いします」と明示して依頼しましょう。

まとめ:弁護士がいても“情報は伝えてナンボ”が基本。支払トラブルを防ぐには事前の確認がカギ

交通事故の被害者として、弁護士がついていることは大きな安心材料ですが、それだけで全てがスムーズに進むとは限りません。特に医療機関の変更や転院など、保険会社との調整が必要な情報は、依頼者側からも積極的に伝えることが重要です。トラブルを未然に防ぐためには、「確認」「連携」「記録」を心がけ、弁護士との協力体制を整えておくことが大切です。

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