警察官は制服を着ていない時や公務時間外でも、法律上は一定の職務を果たす権限を有しています。たとえば、自宅にいるオフの時間帯に強盗が押し入った場合、その場で警察官が逮捕を行うことは可能なのでしょうか?今回はその法的根拠や実務上の対応について解説します。
警察官の身分は24時間有効
警察官は原則として、24時間「警察官たる身分」を有しています。つまり、勤務中か否かにかかわらず、犯罪行為を目撃した場合には対応する義務があるとされています。
警察法第2条や刑事訴訟法第213条では、現行犯逮捕に関する規定が設けられており、現行犯に対しては私人でも逮捕が可能であるため、当然警察官であればなおさら行使できる権限があるということになります。
現行犯逮捕の要件と警察官の判断
現行犯逮捕とは、犯罪の最中または直後に行われる逮捕を指します。この場合、制服の着用や職務証の提示は必須ではありません。
例えば、自宅でくつろいでいる際に強盗が侵入し、金品を奪おうとした場合には、明白な現行犯としてその場で逮捕することが可能です。必要があれば身分を明かし、制圧しつつ応援を要請するのが一般的な対応となります。
一般人による現行犯逮捕との違い
実は、現行犯逮捕は一般市民でも法的に認められている行為です。刑事訴訟法213条によれば、現行犯人であれば誰でも逮捕できるとされています。
ただし、暴行や過剰な制圧行為は正当防衛を逸脱すると違法性を問われる可能性もあるため、警察官であっても法の範囲内で行動することが求められます。
実際の対応の流れと注意点
強盗などの重大犯罪が発生した場合、警察官は身分証の提示や自己の職業を名乗りながら、その場での制止や逮捕を行います。制服がない場合は、逮捕後に正式な手続きとして警察署への移送を行い、記録を残します。
また、制圧に危険が伴う場合は、無理に取り押さえず、まず110番して応援を要請するという選択肢も現実的です。
オフの警察官が逮捕をする際に気を付けること
オフの状態でも職務を果たせるとはいえ、相手に過剰な暴力をふるわないこと、自己防衛を優先すること、応援要請を怠らないことなどが重要です。
万一、取り押さえ中に相手が負傷した場合でも、職務上必要な範囲を超えていれば責任が問われる可能性もあるため、冷静な判断が求められます。
まとめ:制服の有無に関係なく警察官には逮捕権がある
警察官は、たとえ休日や私服であっても、現行犯に対して逮捕権を行使することが可能です。法律上も明確に認められており、一般市民に比べてより強い責任と権限があるとされています。
ただし、安全確保や法的手続きの遵守を優先することが重要であり、冷静かつ迅速な対応が求められます。