交通事故の示談や損害賠償請求に関しては、「過失割合も決まり、治療も終わっているのに、なぜ進まないのか?」という疑問を持つ方は少なくありません。特に高額な請求の場合、思ったよりも長期化することも。この記事では、その理由と実際にどれくらいの時間がかかるか、注意点も含めて詳しく解説します。
交通事故後の損害賠償請求の基本的な流れ
交通事故における損害賠償請求は、以下のような流れで進行します。
- 事故発生・治療開始
- 治療終了(症状固定)
- 損害額の算定・証拠収集
- 相手方または保険会社に対する請求
- 交渉・示談成立 or 裁判へ移行
この一連の流れの中で、「証拠収集」や「交渉」に時間を要するケースが多く、進行が遅く感じる原因になります。
高額請求の場合に時間がかかる理由
請求金額が大きくなるほど、相手側(特に保険会社)は支払いに慎重になります。112万円を超えるような請求では、治療内容や過失割合に関して再確認が入ることが多くなります。
また、治療の妥当性や通院期間の適正性に関する医療記録の確認も時間がかかる要素の一つです。開示された整形外科の情報を相手側が精査している可能性もあります。
過失割合が決まっていても進まない理由
「7:3」などの過失割合が確定していても、損害額の評価や、支払い範囲の争いが解決していないと、話は進みません。
特に慰謝料や通院日数、休業損害など、感情や価値判断が絡む項目では双方の主張が食い違うことが多く、交渉に時間がかかる原因になります。
弁護士特約利用時の対応と限界
弁護士特約を使えば費用負担なく専門家に依頼できるメリットがありますが、それでも交渉相手がいる以上、一方的に解決を進めることはできません。
また、弁護士側から「時間がかかる」と言われた場合、それは単なる引き伸ばしではなく、実際に書類のやり取りや精査に時間を要しているケースが大半です。定期的な進捗確認は遠慮せず行うべきです。
解決までにかかる平均的な期間とは?
過失割合が決まり、治療も終了している場合でも、示談成立までに数か月〜半年程度かかることは珍しくありません。
特に以下のような要素があると、さらに時間がかかる可能性があります。
- 相手が個人で資力に不安がある場合
- 損害額が高額である場合
- 複数の証拠や診断書の提出が必要な場合
- 保険会社との折衝が難航している場合
進展がないと感じたときの対応策
数か月進展がない場合には、まずは弁護士に進捗の説明を求めましょう。また、メールや書面での問い合わせを残すことで、記録を残すことも大切です。
それでも不安がある場合は、他の弁護士にセカンドオピニオンを求めることも検討してよいでしょう。
まとめ:請求の進行が遅い理由は多様、焦らず確認を
交通事故の損害賠償請求は、治療や過失割合が確定していても、証拠確認や相手方の対応などにより、時間がかかることがあります。特に高額な場合には慎重な確認がされるため、半年以上かかるケースもあります。
不安がある場合は、定期的に弁護士と連絡を取り、必要ならば他の専門家にも相談して進捗の確認と納得のいく対応を心がけましょう。