近年、SNSやチャットアプリを通じて若者の間でさまざまなトラブルが増加しています。特にDiscord(ディスコード)など匿名性が高いプラットフォームでは、知らないうちに法律違反に関わってしまうケースも。この記事では、未成年が「見せ合い」目的のサーバーを運営することのリスクや、実際に問われうる罪、そして周囲の大人ができる対応について解説します。
Discordの「見せ合い」サーバーとは?
「見せ合いサーバー」とは、自身や他人の性的な画像や動画などを共有しあう目的で作られたチャットルームのことを指します。Discordは自由度が高く、クローズドな環境を構築しやすいため、このような不適切な使われ方をされることがあります。
未成年がこうしたサーバーを作成・運営することは、自分自身や他者を重大な法的リスクにさらすことになります。
考えられる罪と刑罰の可能性
- 児童ポルノ禁止法違反:18歳未満の裸や性的な写真・動画を「所持・送信・共有」すること自体が違法です。たとえ自分の写真であっても、他人に送ることで罪に問われます。
- わいせつ電磁的記録媒体陳列罪(刑法175条):インターネットを介してわいせつ画像を不特定多数に送信・公開した場合に該当します。
- 児童福祉法違反:子ども同士でも、「淫行」や性的行為の誘引などが含まれる場合は、児童福祉法の観点からも問題になります。
「未成年だからセーフ」では済まされない現実
刑事責任は原則14歳以上から問われます。また、未成年でも家庭裁判所による「補導措置」や「保護処分」が下されることがあり、場合によっては児童相談所への通告も行われます。
一方で、成人のユーザーが関与していた場合、児童買春・児童ポルノ法の重罪が適用されることになり、より深刻な結果を招きます。
どうすればやめさせられるか?周囲ができる対応策
まずは具体的な違反内容の証拠(スクリーンショットやサーバー名など)を記録し、保護者や学校、場合によっては警察・児童相談所に相談することが重要です。
当事者が友人であっても、「放置すれば共犯になるリスクがある」と伝えることで、自覚を促すことも一つの手段です。教育的アプローチが通じない場合、第三者機関の介入が必要になります。
Discordやプラットフォームへの通報も有効
Discordではガイドライン違反の報告フォームがあり、ユーザー報告を受けて該当サーバーの削除やアカウント停止を行う体制があります。匿名で通報できるため、身近に問題がある場合は積極的に通報することが推奨されます。
また、日本国内では警察庁が運営する「インターネット・ホットラインセンター」にも匿名で通報できます。
まとめ:ネット上でも法律は適用される
「見せ合いサーバー」は未成年が軽い気持ちで始めたとしても、重大な法的問題につながる可能性があります。知らなかったでは済まされず、最悪の場合は刑事罰・社会的制裁を受けることにもなりかねません。
ネットの自由と安全のバランスを保つためにも、大人の目と法的知識が必要不可欠です。違法性のある行動を見つけたら、迷わず信頼できる大人や専門機関に相談しましょう。