深夜の外出や友人とのやり取りの中で、予期せぬトラブルに巻き込まれてしまうことがあります。とくに暴行や器物損壊などの被害を受けた場合、未成年であっても適切な対応を取らなければ、泣き寝入りになる可能性があります。この記事では、証拠がない状況でもできること、未成年の立場でできる法的対処法などを詳しく解説します。
暴行・器物損壊とは?法的な定義と処罰
まず前提として、身体に危害を加えられる行為は「暴行罪」(刑法208条)、バイクを蹴って破損させた行為は「器物損壊罪」(刑法261条)に該当する可能性があります。これらは立派な刑事事件です。
暴行罪は被害届が提出されれば、警察が捜査を開始します。器物損壊罪は親告罪であるため、基本的に被害者が「告訴」しないと捜査されませんが、状況によっては例外もあります。
証拠がない場合でも諦める必要はない
周囲に防犯カメラがない、目撃者もいないとなると、「証拠がない」と感じてしまうかもしれませんが、次のような対策が取れます。
- 殴られた箇所の写真や診断書(病院に行っておく)
- バイクの損傷箇所の写真(可能であれば修理見積書)
- 日時・場所・状況をメモやLINEで記録
- 後輩との会話履歴などの証言材料
これらはすべて「間接証拠」として警察の判断材料になります。
まずは誰に相談すべきか?未成年のための窓口
未成年である場合、自分ひとりで警察に行くのが不安なことも多いはずです。まずは信頼できる大人(保護者・教師・スクールカウンセラーなど)に相談し、同行してもらいましょう。
それが難しい場合は、警察庁の少年サポートセンターや、地元の警察署の少年係、児童相談所に電話で相談することも可能です。
被害届と告訴の違いと手続き
被害届:暴行や迷惑行為に対して提出できる。告訴よりもハードルが低いが、必ず捜査されるとは限らない。
告訴状:器物損壊や明確な違法行為に対し、加害者を処罰してほしいという意思を表すもの。法的効力が高く、受理されれば警察は動かざるを得ません。
警察署の生活安全課や刑事課で対応してもらえます。
民事的損害賠償請求も視野に入れる
バイクの修理代や治療費などの損害は、加害者に民事請求することも可能です。相手が未成年でなく、保護者がいる場合は保護者に対して責任を問うこともできます(民法709条・714条)。
この場合は、簡易裁判所での少額訴訟制度(60万円以下)も有効です。
まとめ:泣き寝入りせず行動することが第一歩
たとえ深夜の出来事で、防犯カメラがなくても、泣き寝入りする必要はありません。写真、記録、証言を集めて証拠を残し、信頼できる大人や警察に相談しましょう。未成年でも法律はしっかりとあなたを守ってくれます。
勇気を出して、まずは一歩を踏み出すことが大切です。自分を守る行動が、未来のトラブル回避にもつながります。