駐車中の車に軽く接触された現場を目撃したが、相手が逃げてしまった──そんな状況に遭遇した際、どう対応すべきか迷う方も多いはずです。ナンバーも分からず、ドラレコも未作動となれば、どうすればよいのか判断が難しいところですが、落ち着いて取るべき行動を知っておくことが大切です。
当て逃げの定義と警察への通報義務
車をぶつけてそのまま立ち去る行為は、法律上「当て逃げ(物損事故の報告義務違反)」に該当します。道路交通法では、事故の加害者は警察に報告する義務があり、これを怠ると刑事罰の対象になる可能性があります。
一方、被害者側に通報の義務はありませんが、加害者が逃げた場合、事故の事実を証明するためにも必ず警察へ通報しておくのが望ましい対応です。
加害者が逃げたときに取るべき対応手順
当て逃げを目撃したにも関わらず、相手の車両情報が分からない場合、次のような対応を取ることが重要です。
- すぐに110番し、現場を保全した状態で警察に通報する
- 目撃した内容(車種、色、時間帯、逃走方向など)をできるだけ詳細にメモする
- 駐車場や店舗に設置されている防犯カメラの有無を確認し、保存依頼をかける
- 事故現場の写真を撮影(擦り傷や破損箇所など)して証拠を残す
これらの記録があることで、警察が捜査に乗り出す可能性が高まり、相手が特定できる可能性も出てきます。
警察へ届け出をしておくべき理由
「修理費はいいので連絡は不要」と考える方もいますが、当て逃げはれっきとした道路交通法違反行為です。警察に届け出を行うことで、
- 加害者の再犯防止につながる
- 目撃情報や防犯カメラの協力を得られる
- 後日、相手が見つかった際に民事上の請求が可能になる
といったメリットがあります。また、届け出を怠ったことで後々トラブルになったり、自身の保険対応が難しくなることもあるため注意が必要です。
防犯カメラ映像の確認依頼は早めに
多くの飲食店や商業施設には監視カメラが設置されています。特に駐車場付きの回転寿司チェーンであれば、映像が残っている可能性があります。
ただし、映像の保存期間は通常数日〜1週間程度と短いため、なるべく早めに店舗へ連絡を入れ、警察経由または直接「当日の○時頃の映像確認が可能か」と依頼することが重要です。
自動車保険や車両保険の利用可否について
車両保険に加入している場合、加害者不明でも修理費用を保険でカバーできることがあります。ただし、契約内容により免責金額や等級ダウンの影響もあるため、自己負担額と相談の上、利用の判断をしましょう。
また、ドラレコ未搭載・未作動でも、今後のために録画機能付きのドラレコを検討するのも事故対策のひとつです。
まとめ:逃げられても警察へ通報し、証拠を残すのが正解
車を当てられて相手が逃げてしまった場合、たとえ修理費が気にならなくても、警察に通報するのが最善の対応です。記録と証拠を残し、後日加害者が見つかった場合に備えることで、あなたの法的立場が守られます。初心者でも「現場を保全し、証拠を確保し、警察へ連絡する」という基本対応を忘れずに覚えておきましょう。