歩行者に接触し逃げようとした自転車は罪に問われる?当て逃げ・脅迫・写真撮影の法的リスクを解説

歩行者と自転車の接触事故は日常的に発生していますが、特に「軽微な接触」と「その後の対応」がトラブルの火種になることがあります。本記事では、歩行者に接触した自転車が逃走しようとした場合の法的責任や、歩行者が撮影や交渉の際に気をつけるべきポイントについて詳しく解説します。

自転車が歩行者に接触しただけでも罪になるのか

たとえ軽い接触であっても、自転車が歩道を走行中に歩行者にぶつかれば「交通事故」として扱われる可能性があります。自転車は道路交通法上の「軽車両」であり、歩行者に対して安全に配慮する義務があります。

怪我がなくても、ぶつかった後にそのまま立ち去る行為は「事故の報告義務違反(道交法第72条)」や「救護義務違反」に該当し、行政処分や刑事罰が科される可能性があります。

逃走しようとした場合の「当て逃げ」扱いについて

「当て逃げ」という言葉は一般的に自動車事故で使われますが、自転車の場合も同様の考え方が適用されます。接触事故を起こしたにもかかわらず、その場から立ち去ろうとすれば「事故の不申告」または「過失傷害(未遂含む)」などが適用されるケースもあります。

接触時に怪我がない場合でも、事故後に謝罪もなく立ち去ろうとする行為は悪質と見なされやすく、後にトラブルや訴訟に発展することがあります。

示談金・慰謝料の請求はできるのか

歩行者が怪我をしていない場合、慰謝料や示談金が発生する可能性は低いです。しかし、自転車側の行動によって精神的苦痛を受けた場合は、「不法行為に基づく損害賠償」として慰謝料を請求することが理論上は可能です。

ただしその場合でも、相手の行動が「違法性がある」「故意または重過失である」といった条件を満たす必要があります。金額としては数千円から数万円程度になるケースが多いです。

相手の顔や防犯登録の撮影は合法か?

事故現場で加害者の顔写真や自転車の防犯登録番号を撮影すること自体は違法ではありません。これは証拠保全の一環とされており、刑事・民事を問わず認められています

ただし、写真を無断でSNS等に公開した場合は、「名誉毀損」や「プライバシー権の侵害」に該当する可能性があります。あくまで記録目的での撮影にとどめ、外部への拡散は避けましょう。

「金を払わなければ拡散・通報する」という行為は犯罪になるか

たとえ正当な理由があったとしても、「金を払わなければ警察に通報する」「SNSに晒す」といった要求は脅迫罪恐喝罪に該当する可能性があります。特に金銭を要求する目的で写真を提示した場合、「ゆすり」と判断されることがあります。

トラブルが生じた際は冷静に対処し、第三者(警察や弁護士)を通じて交渉するのが安全です。

実例:似たようなケースでの対応

ある50代女性は、自転車に足を踏まれた後、加害者が逃げようとしたためスマホで撮影し、警察に通報。結果的に加害者は書類送検され、慰謝料として3万円の示談が成立しました。

このように、正しい手続きを取ることで適切に対応できますが、自分で解決しようとしたことで逆に加害者から「脅された」と逆告訴された例もあるため注意が必要です。

まとめ:冷静な対応と法的知識が鍵

歩道での自転車との接触トラブルでは、たとえ軽微でも加害者側には一定の責任が生じます。ただし、被害者側も感情的に対応するとトラブルが拡大するリスクがあるため、証拠を確保しつつ、法的に正当な範囲で対応しましょう。

最終的には、状況に応じて警察や弁護士に相談するのが最も確実で安心できる対応です。

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